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疾患、症状、薬剤名、検査情報から初診やフォローアップ時の治療例まで。
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概要・推奨
疾患のポイント:- 頚椎捻挫(外傷性頚部症候群: Whiplash-associated disorders、WAD)は交通事故、転倒などの外力により発生するさまざまな頚部愁訴を包含する症候群である。
- 一般的に骨折や脱臼のない頚椎軟部支持組織の損傷と定義される。
- 頚部痛を主症状として、頭痛、めまい、上肢のしびれ、腰痛、眼症状、顎関節痛、睡眠障害、うつ状態などのさまざまな副症状を呈する。
診断: >詳細情報 - 頚椎単純X線像にて脱臼、骨折がなく、頚椎MRI上の脊髄損傷所見がない(椎間板ヘルニアなどの変性性脊髄圧迫病変や軽度の後咽頭腔血腫はあってよい)。
- 肢の感覚障害については、脊髄髄節に一致する筋力低下や深部腱反射異常がなく、上肢全体のしびれ感であることが多い。
重症度・予後: >詳細情報 - 頚部痛の大半は1カ月以内に消退するが、長期にわたり残存して就労障害をはじめとする社会経済的問題に至る症例も少なくない。
治療:
>詳細情報 - 初期治療の基本は、本症の自然経過が良好で自然治癒することを患者に知らしめ、安心感を与えることである。
- 頚部可動域制限や頚部に圧痛のある場合は、鎮痛薬の処方や頚椎カラーの使用を3日から数週程度行ってよい。
保存的治療: >詳細情報 - 薬剤治療:
- 痛みに対して:NSAIDs(ロキソニン[60mg]3錠 分3 朝昼夕食後、セレコックス[100mg]2錠 分2 朝夕食後)
- 頚部痛が強く、可動域制限や頚部の圧痛を伴うものでは、受傷後3日間程度に限定して頚椎カラーの使用を検討する。
- 頚部理学療法として、ストレッチ、頚部筋力訓練、可動域訓練には症状軽減効果がある。
- 牽引療法、各種電気療法、トリガ―注射や硬膜外ブロック注射の有効性に関するエビデンスは確立されていない。
専門医に紹介する: >詳細情報 - 多彩な副症状を呈する慢性例に対しては、2~3カ月の時点で各々の分野の専門家へコンサルテーションを行うことが望ましい(脳神経外科、耳鼻咽喉科、眼科、精神科、口腔外科など)。
- 坐位または立位で増悪する頭痛を伴う頚椎捻挫ではまれに脳脊髄液漏出症を合併する場合があるので、脳神経外科専門医への紹介が望ましい。
臨床のポイント:- 頚部に愁訴がない場合には、本症は除外される。
- 経過は良好で多くは自然治癒することを患者に知らしめる。
- 多彩な副症状を呈する慢性例では2~3カ月の時点で、各々の分野の専門医にコンサルトする。
検査・処方例
※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。
■診断のための検査例
- 診断には頚椎X線写真が必要である。
- 頚椎可動域制限がきわめて強い、神経障害(筋力低下、四肢知覚異常など)が存在する、頚椎X線写真で椎骨のアライメント異常や後咽頭腔の拡大がある例では頚椎MRIを撮像するのが適切である。
○ 1)を行い、重症例では2)、3)を行う。
1)
頚椎単純X線
2)
頚椎MRI
3)
頚椎CT
■治療例
- 初期治療の基本は、本症の自然経過が良好で自然治癒することを患者に教育し、安心感を与えることである。
- 頚部可動域制限や頚部に圧痛のある場合は、鎮痛薬の処方や頚椎カラーの使用を3日から数週程度行ってよい。
○ 症状により下記の薬剤を適宜用いる。疼痛に1)-3)、治療抵抗性の疼痛に4)、しびれ感に5)、突っ張り症状に6)を考慮する。
1)
ロキソニン錠[60mg] 3錠 分3 毎食後、2~3週で効果がなければ中止。 [適用内/用量内/㊜頚椎捻挫](編集部注:想定する適用病名「頚椎捻挫」/2017年4月)
薬剤情報を見る
2)
セレコックス錠[100mg] 2~4錠 分2 朝夕食後。2~3週で効果がなければ中止。 [頚椎捻挫は適用外/他適用用量内/㊜関節リウマチ]
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3)
ボルタレンSRカプセル[37.5mg] 2カプセル 分2 朝夕食後。2~3週で効果がなければ中止。 [頚椎捻挫は適用外/他適用用量内/㊜変形性関節症]
薬剤情報を見る
商品名一覧
先発品:ボルタレン,ナボール
後発品:ジクロフェナクNa,ジクロフェナクナトリウム
薬理情報
鎮痛・解熱薬 >NSAIDs(アリール酢酸系)
同効薬一覧
- ランツジールコーワ錠など(アセメタシン)
- ミリダシン錠など(プログルメタシン)
- インフリーカプセルなど(インドメタシンファルネシル)
- インテバン坐剤など(インドメタシン)
- ボルタレンSRカプセル,ボルタレンサポなど(ジクロフェナク)
- クリノリル錠など(スリンダク)
- レリフェン錠など(ナブメトン)
- オステラック錠など(エトドラク)
- ジソペイン錠など(モフェゾラク)
- インダシン静注用など(インドメタシンナトリウム)
要注意情報
腎注
肝注
妊禁
乳可
児量無
4)
トラムセット配合錠 4錠 分4 毎食後と就寝前。2~3週で効果がなければ中止。 [頚椎捻挫は適用外/他適用用量内/㊜慢性疼痛]
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5)
リリカカプセル[75mg] 2カプセル 分2 朝夕食後。初回は100~150mg/日で開始。徐々に増量可。最大300mgまで。 [頚椎捻挫は適用外/他適用用量内/㊜神経障害性疼痛]
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6)
テルネリン錠[1mg] 3錠 分3 毎食後。2~3週で効果がなければ中止。 [頚椎捻挫は適用外/他適用用量内/㊜頚肩腕症候群]
薬剤情報を見る
疾患のポイント:
- 頚椎捻挫(外傷性頚部症候群: Whiplash-associated disorders、WAD)は交通事故、転倒などの外力により発生するさまざまな頚部愁訴を包含する症候群である。
- 一般的に骨折や脱臼のない頚椎軟部支持組織の損傷と定義される。
- 頚部痛を主症状として、頭痛、めまい、上肢のしびれ、腰痛、眼症状、顎関節痛、睡眠障害、うつ状態などのさまざまな副症状を呈する。
診断: >詳細情報
- 頚椎単純X線像にて脱臼、骨折がなく、頚椎MRI上の脊髄損傷所見がない(椎間板ヘルニアなどの変性性脊髄圧迫病変や軽度の後咽頭腔血腫はあってよい)。
- 肢の感覚障害については、脊髄髄節に一致する筋力低下や深部腱反射異常がなく、上肢全体のしびれ感であることが多い。
重症度・予後: >詳細情報
- 頚部痛の大半は1カ月以内に消退するが、長期にわたり残存して就労障害をはじめとする社会経済的問題に至る症例も少なくない。
治療:
>詳細情報

- 初期治療の基本は、本症の自然経過が良好で自然治癒することを患者に知らしめ、安心感を与えることである。
- 頚部可動域制限や頚部に圧痛のある場合は、鎮痛薬の処方や頚椎カラーの使用を3日から数週程度行ってよい。
保存的治療: >詳細情報
- 薬剤治療:
- 痛みに対して:NSAIDs(ロキソニン[60mg]3錠 分3 朝昼夕食後、セレコックス[100mg]2錠 分2 朝夕食後)
- 頚部痛が強く、可動域制限や頚部の圧痛を伴うものでは、受傷後3日間程度に限定して頚椎カラーの使用を検討する。
- 頚部理学療法として、ストレッチ、頚部筋力訓練、可動域訓練には症状軽減効果がある。
- 牽引療法、各種電気療法、トリガ―注射や硬膜外ブロック注射の有効性に関するエビデンスは確立されていない。
専門医に紹介する: >詳細情報
- 多彩な副症状を呈する慢性例に対しては、2~3カ月の時点で各々の分野の専門家へコンサルテーションを行うことが望ましい(脳神経外科、耳鼻咽喉科、眼科、精神科、口腔外科など)。
- 坐位または立位で増悪する頭痛を伴う頚椎捻挫ではまれに脳脊髄液漏出症を合併する場合があるので、脳神経外科専門医への紹介が望ましい。
臨床のポイント:
- 頚部に愁訴がない場合には、本症は除外される。
- 経過は良好で多くは自然治癒することを患者に知らしめる。
- 多彩な副症状を呈する慢性例では2~3カ月の時点で、各々の分野の専門医にコンサルトする。
■診断のための検査例
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診断のための検査例
- 診断には頚椎X線写真が必要である。
- 頚椎可動域制限がきわめて強い、神経障害(筋力低下、四肢知覚異常など)が存在する、頚椎X線写真で椎骨のアライメント異常や後咽頭腔の拡大がある例では頚椎MRIを撮像するのが適切である。
○ 1)を行い、重症例では2)、3)を行う。
1) |
頚椎単純X線
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2) |
頚椎MRI
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3) |
頚椎CT
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■治療例
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治療例
- 初期治療の基本は、本症の自然経過が良好で自然治癒することを患者に教育し、安心感を与えることである。
- 頚部可動域制限や頚部に圧痛のある場合は、鎮痛薬の処方や頚椎カラーの使用を3日から数週程度行ってよい。
○ 症状により下記の薬剤を適宜用いる。疼痛に1)-3)、治療抵抗性の疼痛に4)、しびれ感に5)、突っ張り症状に6)を考慮する。
1) |
ロキソニン錠[60mg] 3錠 分3 毎食後、2~3週で効果がなければ中止。 [適用内/用量内/㊜頚椎捻挫](編集部注:想定する適用病名「頚椎捻挫」/2017年4月)
薬剤情報を見る
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2) |
セレコックス錠[100mg] 2~4錠 分2 朝夕食後。2~3週で効果がなければ中止。 [頚椎捻挫は適用外/他適用用量内/㊜関節リウマチ]
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3) |
ボルタレンSRカプセル[37.5mg] 2カプセル 分2 朝夕食後。2~3週で効果がなければ中止。 [頚椎捻挫は適用外/他適用用量内/㊜変形性関節症]
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4) |
トラムセット配合錠 4錠 分4 毎食後と就寝前。2~3週で効果がなければ中止。 [頚椎捻挫は適用外/他適用用量内/㊜慢性疼痛]
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5) |
リリカカプセル[75mg] 2カプセル 分2 朝夕食後。初回は100~150mg/日で開始。徐々に増量可。最大300mgまで。 [頚椎捻挫は適用外/他適用用量内/㊜神経障害性疼痛]
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6) |
テルネリン錠[1mg] 3錠 分3 毎食後。2~3週で効果がなければ中止。 [頚椎捻挫は適用外/他適用用量内/㊜頚肩腕症候群]
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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)
(詳細はこちらを参照)
エルゼビアは医療の最前線にいらっしゃる
すべての医療従事者の皆様に敬意を表します。
人々の健康を守っていただき、ありがとうございます。
すべての医療従事者の皆様に敬意を表します。
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