馬尾腫瘍 :トップ    
監修: 酒井昭典 産業医科大学 整形外科学教室
小澤浩司 東北大学 整形外科学分野

概要

疾患のポイント:
  1. 馬尾腫瘍とは脊髄円錐部より尾側(通常第2腰椎以下)に発生する硬膜内髄外腫瘍を総称したものである。腫瘍の病理診断は神経鞘腫が大多数を占める。初発症状は腰痛が最も多く、疼痛の特徴は夜間痛、臥位時の痛みである。
  1. 症状が進行すると、歩行障害、排尿障害が出現する。
 
診断: >詳細情報 
  1. 多くの腫瘍はT1強調画像で脊髄と比べ低~等輝度、T2強調画像で高輝度を示す。Gd-DTPAで明瞭に増強される。最も多い神経鞘腫は内部に嚢胞を含むことが多い。
  1. 腰椎X線像:<図表>
  1. 腰椎MRI像:<図表>
 
予後評価: >詳細情報 
  1. 馬尾腫瘍の95%以上は予後が良好な腫瘍である。まれにみられる乳頭状上衣腫、傍神経節腫、類上皮腫で再発を繰り返すものがある。
 
治療:アルゴリズム >詳細情報 
  1. 馬尾腫瘍の治療の原則は手術による摘出である。ただし、MRIで腫瘍が偶然みつかり無症状と考えられるときは、外来で経過を観察する。
  1. 強い疼痛や脱力などがみられるときは手術により腫瘍を摘出する。手術は、後方からアプローチし、椎弓切除(+脊椎固定術)、片側椎弓切除、還納式椎弓切除などにより椎弓を摘出し、硬膜を切開して腫瘍を摘出する。
 
臨床のポイント:
  1. 腰痛、下肢痛などの疼痛が強い例では、本症を念頭に置くことが必要である。
  1. 本症では、体位や姿勢によって疼痛の程度が大きく変化することがある。横になっていると痛むが、立位になると軽減するというような例が経験される。
  1. 単純X線撮影とMRIが診断にはきわめて有力である。

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

画像評価例
  1. MRIが必須である。通常、MRIにて容易に診断される。多くの腫瘍はT1強調画像で脊髄と比べ低~等輝度、T2強調画像で高輝度を示す。Gd-DTPAで明瞭に増強される。最も多い神経鞘腫は内部に嚢胞を含むことが多い。
○ 診断では1)とともに2)は必ず行う。必要に応じて3)も追加する。

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薬剤監修について:
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※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
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馬尾腫瘍の治療方針
腰椎X線像
腰椎MRI像
著者校正/監修レビュー済
2016/04/01