今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 矢吹省司 福島県立医科大学 疼痛医学講座

監修: 酒井昭典 産業医科大学 整形外科学教室

著者校正/監修レビュー済:2024/03/21
参考ガイドライン:
  1. 日本整形外科学会日本脊椎脊髄病学会 監修:腰椎椎間板ヘルニア診療ガイドライン2021 改訂第3版
  1. 厚生労働行政推進調査事業費補助金(慢性の痛み政策研究事業)「慢性疼痛診療システムの近てん化と痛みセンター診療データベースの活用による医療向上を目指す研究」研究班監修:慢性疼痛診療ガイドライン
  1. 日本整形外科学会日本脊椎脊髄病学会 監修:腰部脊柱管狭窄症診療ガイドライン2021 改訂第2版
  1. 日本整形外科学会日本腰痛学会 監修:腰痛診療ガイドライン2019 改訂第2版
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 坐骨神経痛を呈する疾患の代表である椎間板ヘルニアと腰部脊柱管狭窄症のガイドラインを「参考ガイドライン」に加筆した。
  1. 慢性疼痛に関するガイドラインも「参考ガイドライン」に加筆した。
  1. 記載内容を大きく変えるような項目はなかった。

概要・推奨   

  1. 坐骨神経痛の重症度は、痛みの程度や神経障害の程度(麻痺の強さなど)によって決まるが、定型的な重症度分類というものはない。
  1. 薬物療法:坐骨神経痛に対する推奨薬として、NSAIDs、Caチャネルα2δリガンド、およびセロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬があげられている(推奨度2、エビデンスランクRsJ)
  1. 神経ブロック:短期的には坐骨神経痛の軽減に有効である、というエビデンスがある。しかし、手術に至る症例を軽減させるというエビデンスはない。
アカウントをお持ちの方はログイン
  1. 閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります
  1. 閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲

病態・疫学・診察 

疾患情報(疫学・病態)  
  1. 坐骨神経痛とは、“坐骨神経に沿った痛み”であり、疾患名でなく、症状である。
  1. 坐骨神経の走行:<図表>
  1. 一般に、殿部から大腿後面、下腿側面や下腿後面にかけての痛みである。
  1. 成人の38%が経験したことがあり、18~19%が現在症状を有している、との報告がある[1]
  1. 坐骨神経痛を来す代表的疾患には、腰椎椎間板ヘルニア(LDH)と腰部脊柱管狭窄(症)(LSS)がある。
  1. 腰椎椎間板ヘルニアの疫学は不明である。
  1. 腰部脊柱管狭窄(症)に関しては、40~79歳の日本国民の5.7%、約365万人存在することが報告された[2]
  1. LDH、LSSともに腰部神経根の圧迫や炎症を惹起することで坐骨神経痛を生じさせていると考えられている。
 
  1. 坐骨神経痛について(推奨度2RS)
  1. 重症度分類
    重症度は、痛みの程度や神経障害の程度(麻痺の強さなど)によって決まるが、定型的な重症度分類というものはない。
  1. 治療、保存療法の効果、リスクなどのエビデンス
    腰椎椎間板ヘルニアの場合、1)薬物療法:坐骨神経痛に対する推奨薬として、NSAIDs、Caチャネルα2δリガンド、およびセロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬があげられている。2)神経ブロック:短期的には坐骨神経痛の軽減に有効である、というエビデンスがある。しかし、手術に至る症例を軽減させるというエビデンスはない。
  1. 特徴的な診察法、画像所見
    脊柱所見が陽性の場合は、腰椎疾患による坐骨神経痛である可能性が高い。下肢伸展挙上試験(straight-leg raising test、SLRT)が陽性の場合は、L4/5、L5/S椎間板ヘルニアによる神経根障害の可能性が高い。Kemp徴候が陽性の場合は、腰部脊柱管狭窄による神経根障害の可能性がある。神経学的所見により、どの神経根が障害されているかを予測することができる。その後画像検査になる。
    画像所見:椎間板の突出や脊柱管の狭窄について評価する。
  1. リハビリテーションプロトコル
    リハビリテーションとしては、1)保存療法としてのリハビリテーション:腰椎牽引や腓骨神経低周波治療などの物理療法、麻痺がある場合の筋力強化訓練などの運動療法、がある。また、2)手術療法後のリハビリテーション:麻痺がある場合の筋力強化訓練、歩行訓練、などがある。
問診・診察のポイント  
問診:
  1. 発症時期を確認する。

これより先の閲覧には個人契約のトライアルまたはお申込みが必要です。

最新のエビデンスに基づいた二次文献データベース「今日の臨床サポート」。
常時アップデートされており、最新のエビデンスを各分野のエキスパートが豊富な図表や処方・検査例を交えて分かりやすく解説。日常臨床で遭遇するほぼ全ての症状・疾患から薬剤・検査情報まで瞬時に検索可能です。

まずは15日間無料トライアル
本サイトの知的財産権は全てエルゼビアまたはコンテンツのライセンサーに帰属します。私的利用及び別途規定されている場合を除き、本サイトの利用はいかなる許諾を与えるものでもありません。 本サイト、そのコンテンツ、製品およびサービスのご利用は、お客様ご自身の責任において行ってください。本サイトの利用に基づくいかなる損害についても、エルゼビアは一切の責任及び賠償義務を負いません。 また、本サイトの利用を以て、本サイト利用者は、本サイトの利用に基づき第三者に生じるいかなる損害についても、エルゼビアを免責することに合意したことになります。  本サイトを利用される医学・医療提供者は、独自の臨床的判断を行使するべきです。本サイト利用者の判断においてリスクを正当なものとして受け入れる用意がない限り、コンテンツにおいて提案されている検査または処置がなされるべきではありません。 医学の急速な進歩に鑑み、エルゼビアは、本サイト利用者が診断方法および投与量について、独自に検証を行うことを推奨いたします。
薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光および日本医科大学多摩永山病院 副薬剤部長 林太祐による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、 著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※同効薬・小児・妊娠および授乳中の注意事項等は、海外の情報も掲載しており、日本の医療事情に適応しない場合があります。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適応の査定において保険適応及び保険適応外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適応の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
矢吹省司 : 講演料(第一三共(株))[2024年]
監修:酒井昭典 : 講演料(旭化成ファーマ(株),日本臓器製薬(株),帝人ヘルスケア(株))[2024年]

ページ上部に戻る

坐骨神経痛

戻る