脊髄腫瘍 :トップ    
監修: 酒井昭典 産業医科大学 整形外科学教室
中村雅也 慶應義塾大学 整形外科

概要

疾患のポイント:
  1. 脊髄腫瘍とは、脊柱管内に発生した腫瘍を総称し、臨床的に腫瘍と脊髄、あるいは硬膜との位置関係から、硬膜外腫瘍、硬膜内髄外腫瘍、髄内腫瘍に大別される。
 
診断: >詳細情報 
  1. 脊髄腫瘍は、初発症状では特徴的なものはなく、しばしば椎間板ヘルニアや変形性脊椎症などと誤診されていることがある。持続する疼痛やしびれ、説明のつかない神経症状が存在する場合は、まず、MRI、特に造影MRIを撮像することが重要である。
  1. 頻度の高い神経鞘腫と髄膜腫の画像上の鑑別診断のポイントは、神経鞘腫は髄膜腫と比較して硬膜からの立ち上がりが鋭で、造影剤による増強効果が強く、嚢胞を伴うことが多いことである。また、上衣腫は、T1強調像で低信号、T2強調像で高信号を呈する。星状細胞腫は、T1強調像で等~低信号、T2強調像で高信号を呈する。また、上衣腫と比較して、星状細胞腫は腫瘍の境界は不明瞭で浮腫も存在しびまん性の脊髄腫大を来すことが多い。血管芽細胞腫は、T1強調像で等~低信号、T2強調像では高信号を呈し、腫瘍内の血流の早い血管を無信号(signal void)として捉えられる。
  1. その際にも、上位胸椎部、胸腰移行部の見落としにも注意を要する。
 
治療: >詳細情報 
  1. 脊髄腫瘍の治療方針は基本的には手術であり、保存的治療で経過をみることは手術のリスクを高めることにほかならない。“症状が悪くなったら手術をしましょう”は脊髄腫瘍では禁忌といっても過言ではない。
 
専門医相談のタイミング: >詳細情報 
  1. 脊髄腫瘍が疑わしき場合は、早期に専門家に紹介し相談するべきである。
 
臨床のポイント:
  1. 進行性の筋力低下や感覚異常があれば、本症を念頭に置く。
  1. 脊椎の単純X線とMRIが、診断にはきわめて有力である。

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

診断のための評価例
  1. ほとんどすべての患者で単純X線、造影MRIを行う。腫瘍の大きさ、局在、神経症状にもよるが、基本的には腫瘍がはっきりすれば、保存的治療に固執せず、専門家に相談することが重要である。
○ 1)と2)は併せて行うのが原則である。骨病変の有無を単純X線でチェックするとともに、MRIで脊髄の状態を観察する。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

脊髄腫瘍の治療方針
代表的なMRI
神経鞘腫と髄膜腫のMRI鑑別のポイント
代表的なMRI
上衣腫と星状細胞腫と血管芽腫のMRIの鑑別のポイント
頚髄腫瘍のMRI(造影T1強調矢状断像)
著者校正/監修レビュー済
2016/08/19