大腿骨頚部骨折(大腿骨頚部内側骨折) :トップ    
監修: 酒井昭典 産業医科大学 整形外科学教室
加来信広 大分大学医学部整形外科学

概要

疾患のポイント:
  1. 大腿骨頚部骨折とは、大腿骨の頚部に発生する骨折で、関節包内骨折(滑膜性関節包内)である。近年、男女とも増加している骨折で、70歳を過ぎると、急激に増加している。
  1. 原因は、転倒が最も多い。
 
診断: >詳細情報 
  1. 多くは転倒による急激な疼痛を伴う起立・歩行障害の病歴とX線像により診断できる。ただし、骨折線は認められなくても骨折がないと断定できない。日をおいて繰り返しX線単純写真を撮影することも有用である。
  1. 補助画像診断として、CTやMRIが有効である。特に、MRIは有用で、診断精度はきわめて高い。
  1. 大腿骨頚部骨折の診断・治療アルゴリズム:アルゴリズム
 
重症度・予後: >詳細情報 
  1. 大腿骨頚部骨折の分類には、現在、Garden stageを用いるのが一般的である。
  1. Gardenは転位の程度によりstage I~IVの4段階に分類している。この4段階は検者間での分類判定の一致率が低い。
  1. stage IとIIとを非転位型、stage IIIとIVとを転位型として2つに分類するのが、治療法の選択と予後予測との面で間違いが少ないという考え方が主流である。転位型のほうが偽関節および骨頭壊死になる可能性が高い。
 
治療: >詳細情報 
  1. 年齢、全身状態や転位の程度などから治療法を選択する。ほとんどの場合、早期離床・早期リハビリテーションを目指し、手術療法が選択される。
  1. 大腿骨頚部骨折の診断・治療アルゴリズム:アルゴリズム

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

診断のための検査、治療前評価例
  1. すべての患者で、X線撮影を行う。それと同時にできるだけの全身状態把握のために心疾患や糖尿病など既往症、抗血小板薬や抗凝固薬などの薬歴、術前の検査などを行う。問題がなければできるだけ早い時期に手術療法を行うが、手術までは床上安静とすることが多い。脱水や貧血などがある場合、術前から輸液や輸血なども行われることがある。
○ 高齢の大腿骨頚部骨折例では、多くの例が高血圧、糖尿病、腎機能障害などを伴っている。1)~12)の検査はすべて必須である。4)は同時に、eGFRを求めておくとよい。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
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尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
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大腿骨頚部骨折の診断・治療アルゴリズム
骨接合術
人工骨頭置換術
著者校正/監修レビュー済
2017/03/31