今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 伊藤浩 旭川医科大学 整形外科学講座

監修: 酒井昭典 産業医科大学 整形外科学教室

著者校正/監修レビュー済:2022/01/19
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1.  定期レビューを行い、一部プレートの利用について加筆修正を行った。

概要・推奨   

  1. ⼈⼯股関節置換術(total hip arthroplasty、THA)後⾻折は種々の外⼒により発⽣するが、minor traumaによるものが多く、その発⽣頻度は0.1〜2%程度である。
  1. ステムの固定性が良好である場合は、ロッキングプレート、Dall-Miles cable grip system、ワイヤー、スクリューを用いた骨接合術が推奨される(推奨度1)
  1. ステムに弛みを認める場合は、再置換術と骨接合術を行う(推奨度1)
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病態・疫学・診察 

疾患情報(疫学・病態)  
  1. 人工股関節置換術(total hip arthroplasty、THA)後骨折は種々の外力により発生するが、minor traumaによるものが多く、その発生頻度は0.1~2%程度である。
  1. 大腿骨ステム周囲の術中および術後骨折は、近年増加傾向にある。その理由は、THA施行総数の増加、若年者に対するTHA数の増加、THAの耐用年数が増加したため骨密度が低下傾向にある老齢者のインプラント保持者が増えたこと、osteolysisや骨欠損を伴う弛み例が増加したこと、などのためと思われる。
  1. 受傷原因の90%程度が転倒などのminor traumaであり、交通事故などのmajor traumaは10%程度であるとする報告が多い。
  1. ステムの弛みに加えてアライメントが不良である場合に転倒することで骨折を生じることが多く、骨粗鬆症や関節リウマチの症例などでは特に注意が必要である。
  1. THA後大腿骨骨折の分類にはVancouver分類が用いられることが多い。
  1. Vancouver分類[1]のTypeにより、適切な治療方法を選択することが重要である。ステムの固定性が良好である場合は、ロッキングプレート、Dall-Miles cable grip system、ワイヤー、スクリューを用いて骨接合術を行い、ステムに弛みがある場合は、再置換術と骨接合術を行う。
  1. 強固な固定性が得られれば術後早期のリハビリテーションが可能であり、適切な術前計画が重要である。
問診・診察のポイント  
問診:
  1. 受傷機転を確認する。

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オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光および日本医科大学多摩永山病院 副薬剤部長 林太祐による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、 著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
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(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
伊藤浩 : 特に申告事項無し[2024年]
監修:酒井昭典 : 講演料(旭化成ファーマ(株),日本臓器製薬(株),帝人ヘルスケア(株))[2024年]

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人工股関節置換術後の大腿骨骨折

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