今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 香月一朗 福岡志恩病院 整形外科

監修: 酒井昭典 産業医科大学 整形外科学教室

著者校正/監修レビュー済:2023/01/11
参考ガイドライン:
  1. 日本整形外科学会:特発性大腿骨頭壊死症診療ガイドライン2019
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 定期レビューを行い、一部表現について修正を行ったが、内容に関しては変更ない。

概要・推奨   

  1. 大腿骨頭壊死とは、大腿骨頭の非外傷性、無菌性、阻血性の壊死である。軽微な外傷起点で生じた急性発症の股関節痛・臀部痛を来す。
  1. 特発性であるが、リスクファクターとしてステロイド投与・アルコール多飲が挙げられている。
  1. 骨壊死による急性の症状は疼痛であるが、軽微な症例も多い。壊死により修復が行われず、骨組織が破壊され陥没を生じると、疼痛、関節可動域制限などの症状が発症する。
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病態・疫学・診察 

疾患情報(疫学・病態)  
  1. 大腿骨頭壊死とは、大腿骨頭の非外傷性、無菌性、阻血性の壊死である。軽微な外傷起点で生じた急性発症の股関節痛・臀部痛を来す。
 
特発性大腿骨頭壊死症の定義

参考文献:
厚生労働省特定疾患対策研究事業骨関節系調査研究班(平成13年6月改定案)
 

出典

著者提供
 
  1. 大腿骨頭(成人)は主として大腿深動脈から分岐した内側回旋動脈によって栄養される。この動脈に何らかの原因で血行途絶が起こることによる壊死である。血行途絶の原因は明確ではない。
 
大腿骨頭の血行

出典

著者提供
 
大腿骨頭の血行―microangiography

被膜下動脈から骨頭に入り3-4本に分岐する。

出典

渥美敬先生ご提供
 
  1. 特発性であるが、リスクファクターとしてステロイド投与・アルコール多飲が挙げられている。
 
特発性大腿骨頭壊死症の疫学

出典

著者提供
 
  1. 症状としては比較的急激に始まる股関節痛であるが、坐骨神経痛様の症状、膝関節痛、大腿部痛などで始まることもある。
  1. 腰椎疾患との鑑別が必要となることも多い。
  1. 壊死の発生と発症には時間的なズレがある。
  1. 発症は陥没が生じるか、骨頭軟骨下骨折あるいは骨梁の微小骨折が生じたときと考えられている。軽微な外傷(例えば段差を踏み外すなど)を伴うことが多い。
  1. 骨壊死の発生―血行の途絶には疼痛は伴わない。
  1. 骨頭の圧潰変形―陥没が生じると関節の不安定性が起き、軟骨の変性が進行し、二次性の股関節症へと進行する。
  1. 特発性大腿骨頭壊死症は、指定難病であり、その一部(①病型分類を用いてTypeB、TypeCまたは病期分類Stage2以上、②日本整形外科学会股関節機能判定基準を用いて、患側について「70点以上80点未満:可」または「70点未満:不可」、のいずれか)は、申請し認定されると保険料の自己負担分の一部が公費負担として助成される。([平成27年1月施行])
  1.  難病法に基づく医療費助成制度 
問診・診察のポイント  
問診:
  1. 発症時期を確認する。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光および日本医科大学多摩永山病院 副薬剤部長 林太祐による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、 著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
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(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
香月一朗 : 特に申告事項無し[2024年]
監修:酒井昭典 : 講演料(旭化成ファーマ(株),日本臓器製薬(株),帝人ヘルスケア(株))[2024年]

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大腿骨頭壊死

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