乳児化膿性股関節炎 :トップ    
監修: 酒井昭典 産業医科大学 整形外科学教室
稲葉裕 横浜市立大学 整形外科

概要

疾患のポイント:
  1. 乳児化膿性股関節炎とは、発熱や仮性下肢麻痺を症状とし、早期診断、早期治療が不可欠な疾患である。
 
診断: >詳細情報 
  1. 診察で股関節周囲の発赤・腫脹・熱感、仮性下肢麻痺などの所見より、股関節炎を疑う。
  1. 画像所見で、以下の所見を認めることにより診断となる。
  1. 単純X線像では、軟部組織の腫脹、関節液貯留による大腿骨頭の外方化(<図表>)、股関節脱臼を認める。
  1. 超音波検査では、健側と比較し、関節液の貯留、軟部組織の腫脹を認める。
  1. MRIでは、関節液の貯留、周囲軟部組織の炎症像を認める。骨髄炎や骨壊死の有無を確認するためには造影を行う。
  1. また、血液生化学的検査、関節穿刺液では、炎症所見を確認し、血液培養、関節穿刺液培養にて起炎菌の同定を試みる。
  1. 単純X線像:<図表>
  1. MRI(造影):<図表>
  1. 関節穿刺液:<図表>
 
重症度・予後評価: >詳細情報 
  1. 早期診断により適切な治療が行われなかった場合、股関節の破壊や成長障害を引き起こし、重篤な後遺症をもたらす。
  1. 罹病期間が短い(発症より4日以内)うちに切開排膿し、治療を開始すると比較的予後が良い。
 
治療:

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

診断のための評価例
  1. 股関節液貯留を確認するため、ほぼ全例でMRIを撮像する。その際、患児の鎮静が必要となる。
  1. 親に鎮静の同意を得る。薬剤の使用、呼吸抑制、嘔吐による誤嚥などのリスクを説明する。
  1. 点滴ルートを確保、脈拍・SpO2モニターを装着、ラボナール3mg/kg使用し、鎮静を行う。
○ 血液検査とともに股関節の単純X線で本疾患の可能性があれば躊躇なくMRIを行う。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

乳児化膿性股関節炎 治療のアルゴリズム
単純X線像
MRI(造影)
股関節の解剖(前方アプローチ)
関節穿刺液
関節切開・排膿
著者校正/監修レビュー済
2016/05/13