足底腱膜炎 :トップ    
監修: 酒井昭典 産業医科大学 整形外科学教室
大関覚 獨協医科大学越谷病院 整形外科

概要

疾患のポイント:
  1. 底腱膜は足底皮下に踵骨から足趾の底側まで拡がる丈夫な腱様の線維膜組織で、足の縦アーチを支える機能を持ち、つま先立ちや踏み返し動作の際にアキレス腱の張力を足底に伝える機能を持っている。<図表>
  1. 足底腱膜炎は踵部痛の最も多い原因で中年期以降の40歳代から60歳代に、過度の負荷をきっかけに踵の内側の痛みとして発症することが多いが、長距離ランナーやサッカー選手などではスポーツのストレスが過剰になると発症する。
  1. 症状は踵の痛みであるが、程度はさまざまである。特徴的なのは朝の第1歩の激痛で、少し時間が経つと軽減する。
 
診断: >詳細情報 
  1. 診察法:
  1. 触診では、踵骨内側の足底腱膜起始部に圧痛点があることが多い。
  1. 圧痛点:<図表>
  1. 踵骨の内外側壁に圧迫力をかけて痛みが誘発されるか調べるsqueeze testは、疲労骨折や骨嚢腫などの鑑別に有効である。
  1. 検査:
  1. 単純X 線写真では、立位での足部側面、単純斜位を撮影する。
  1. MRIでは、T1強調像で低信号の細いバンドとして足底皮下脂肪の上層に描出される。T2強調像では踵骨起始部の上面に滑液包があるため、液体が貯留して高信号域が描出されることが多い。
  1. 立位の足部単純X 線側面像:<図表>
  1. MRI所見:<図表>
  1. 鑑別診断:
  1. アキレス腱周囲炎、踵骨疲労骨折、踵部脂肪体萎縮、絞扼性神経障害、骨髄炎・骨腫瘍
 
保存的治療: >…

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

治療例
  1. 発症のきっかけをよく聞いて、改めるべき習慣がないか確認する。
  1. 運動療法:アキレス腱の拘縮の治療として、階段などで踵を深く沈ませるディープストレッチングを指導する。<図表><図表><動画>
  1. 装具療法:シリコン製のヒールカップが効果的であることが多い。また、通常使用するシューズをチェックする。
  1. 薬物療法:消炎鎮痛剤を内服させ、局所の湿布を行う([Rp1:ロルカム1錠+ソロン1錠 分3/日、モーラステープ20mg 2枚/日 ][Rp2:セレコックス100mg+ムコスタ1錠 分2/日、ロキソニンテープ50mg 1枚/日])。
○ 原則的治療は7)で、8)、9)を併用するのもよい。症状が強い例では1)または2)、5)または6)などのNSAIDsを使用する。胃腸障害の懸念があれば、3)または4)を併用する。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

アルゴリズム
足底腱膜の機能
圧痛点
立位の足部単純X 線側面像
MRI
絞扼性神経障害
荷重状態でのストレッチング
非荷重でのストレッチング
著者校正/監修レビュー済
2017/01/26