今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 山本晴康 千葉・柏リハビリテーション病院

監修: 酒井昭典 産業医科大学 整形外科学教室

著者校正/監修レビュー済:2024/11/13
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 定期レビューを行い、用語など軽微な修正を行った。
  1. KohlerをKöhlerに変更した。

概要・推奨   

  1. 問診では、いつから症状が現れたか。きっかけとなる外傷があるか。痛みの性質はどのようなものか。鋭い痛みか、鈍痛か、夜間・安静時に生ずるか、動作時に生ずるか。歩行時はどうか。階段昇降時にはどうか。どの部位が痛いのか。 
  1. 診察は歩行時、立位時、臥床時の状態において行う。
  1. 問診と診察から、痛みと変形が、成長期に正常な足部を獲得できなかったことによるか、麻痺によるか、獲得した構造や関節が外傷・加齢による退行変性などにより破錠したことによるか、骨組織・軟部組織に繰り返し微細な外力が加わったことによるかを見極める。
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病態・疫学・診察 

疫学情報・病態・注意事項  
  1. 足部は26個の骨よりなり、アーチ構造を形成し、付着している靱帯や筋肉がこれを補強している。
  1. アーチ構造は重心の安定性や歩行時の衝撃の吸収、蹴り出し力の増強に関与し、長時間の立位と歩行を可能にしている。
  1. 足部には距腿関節、距骨下関節、横足根関節、足根中足関節、中足趾節関節(MTP関節)、趾節間関節があり、立位や歩行、走行に際し、足部に付着している筋肉の活動に、より円滑な関節運動を足関節とともに営んでいる。
  1. 足部・足関節部の疼痛は、このような構造と関節を成長期に獲得できなかった場合や、成長期に破綻が生じた場合、獲得した構造や関節が外傷・加齢による退行変性などにより破錠した場合、足部・足関節を構成する骨組織・軟部組織に繰り返し微細な外力が加わった場合などにより生ずる。
  1. ほかに、炎症、感染、神経障害、血流障害、腫瘍、不適切な靴などによっても生ずる。
 
  1. Morton病 50歳男性(参考文献:[1]
  1. 病歴:1年前から左足の第3趾と第4趾の間に痛みがある。歩行時に疼痛が増悪する。
  1. 診察:左第3趾4趾間に腫瘤を触知し、移動性があり、そのときクリックを生ずる。左第3趾4趾間の知覚低下を認める。
  1. 前足部をつかみ、圧縮すると(squeeze test)同部に痛みが生じる。
  1. 診断のためのテストとその結果:MRIで左第3趾4趾間に腫瘤を認める。
  1. 治療:手術により神経腫を切除した。切除した腫瘤を示す。
  1. 転帰:痛みは消失した。切除した神経の支配領域の知覚は当初なかったが、次第に回復してきた。
 
Morton病

a:知覚障害
b:MRI T2強調像
c:手術所見 神経腫が露出する
d:切除標本 切除した腫瘤とその半割所見

出典

著者提供
問診・診察のポイント  
問診:
  1. いつから症状が現れたか。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光および日本医科大学多摩永山病院 副薬剤部長 林太祐による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、 著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
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(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
山本晴康 : 特に申告事項無し[2024年]
監修:酒井昭典 : 講演料(旭化成ファーマ(株),日本臓器製薬(株),帝人ヘルスケア(株))[2024年]

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足部痛(診察手順含む)

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