肺動脈弁狭窄 :トップ    
監修: 今井靖 自治医科大学 薬理学講座臨床薬理学部門・内科学講座循環器内科学部門
宇野漢成 東京大学 22世紀医療センター コンピューター画像診断学/予防医学講座

概要

疾患のポイント:
  1. 肺動脈弁狭窄症(pulmonic stenosis、PS)とは、肺動脈弁の狭窄により、右心室の圧負荷が増大する病態であり、重症例を除けば通常無症状で経過する。
  1. PSは非常にまれであり、ほとんどが先天性PS(先天性心疾患の10%に合併する)か、肺動脈弁術後の狭窄である。
 
診断: >詳細情報 
  1. 心電図で右心肥大を認め、第2~3肋間胸骨左縁に最強点を有する収縮期駆出性雑音を聴取する。
  1. 診断は心エコーでなされる。傍胸骨短軸断面で右室流出路—肺動脈弁—主肺動脈を描出し、カラードプラーで肺動脈弁位に加速血流がみえたらPSを疑う。同部位に連続波ドプラーで収縮期肺動脈弁の駆出血流の最大流速を計測し、簡易ベルヌーイの式で右室-肺動脈の圧較差を算出する。<動画> エビデンス 
  1. 右室流出路狭窄との鑑別が必要である。
 
治療: >詳細情報 
  1. 無症状のPSと最大圧較差<25mmHgのPSは予後がよく、治療対象ではない。
  1. 重症PSと症状のある中等度PSは手術か、balloon valvotomy(カテーテル先端のバルーンで弁交連を切開する)の適応である。
  1. PSに対する有効な内科治療法はない。
  1. 心エコーでPSの最大流速>3m/sで手術を考慮するときに心カテーテルによる圧測定を行う。 エビデンス 
 
フォローアップ方針を決定する: >詳細情報 
  1. 心電図と心エコーでフォローアップ間隔:無症状のPSで最大圧較差<30mmHgの場合は5年ごと、無症状のPSで最大圧較差>30mmHgの場合は2~3年ごと。
 
臨床のポイント:
  1. PSはほとんどが先天性か、肺動脈弁術後の狭窄である。

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

初診時に行う検査例
  1. 診断と治療方針の決め手である。
○ 初診時に、肺動脈弁の評価のため下記を行う

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
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(詳細はこちらを参照)

収縮期に肺動脈弁を通過する血流が加速されている。
著者校正/監修レビュー済
2018/08/10