ウィルソン病 :トップ    
監修: 金子周一 金沢大学大学院
吉岡健太郎 藤田保健衛生大学 肝胆膵内科

概要

疾患のポイント:
  1. 全身組織に銅が過剰に蓄積する常染色体劣性遺伝疾患であり、肝障害、精神神経障害(振戦、不随意運動、パーキンソニズムなど)、眼症状(Kayser-Fleischer角膜輪、ひまわり状白内障[sunflower-cataract])など多彩な臨床病型を示す。
  1. 患者は3万~10万人に1人の割合で存在する。
  1. ウイルソン病は、指定難病であり、①肝障害を認める場合、②神経障害等を認める場合、③腎機能障害を認める場合のいずれかを満たす場合などでは、申請し認定されると保険料の自己負担分の一部が公費負担として助成される。([平成27年7月施行])
  1.  難病法に基づく医療費助成制度 
 
診断: >詳細情報 
  1. ①肝組織内銅値は200μg/g肝湿重量以上。
  1. ②血清セルロプラスミン低下20mg/dL以下。
  1. ③尿中銅排泄量の上昇(100μg/日以上、1.5μg/㎏/日以上、0.2μg/mgCr以上)。
  1. 上記の①②③のうち2つ以上を満たせばウィルソン病と診断してよい。ただし、肝組織内銅値の増加が認められれば本症と診断できる。3歳未満の症例の場合は①+②あるいは②+遺伝子解析が必要となる。
 
重症度・予後: >詳細情報 
  1. 80%以上の症例が10歳以下で発症。40~70%の患者で肝病変が出現する。
  1. 劇症肝不全は児童から若年成人に多く発症し、しばしば溶血性貧血を伴う。それ以前にウィルソン病の診断をされていないことが多い。予後不良であり、至急肝移植を行う必要がある。治療抵抗性の肝硬変からの肝不全も肝移植の適応となる。
 
治療: >詳細情報 
  1. 治療の基本は、銅の吸着薬である。通常、メタルカプターゼカプセル(キレート剤)かメタライト(キレート剤)を第1選択薬としていずれか1つを用いる。これらは単剤で使用するが、急性期にキレート剤とノベルジン(酢酸亜鉛:腸管からの銅の吸収阻害)を併用することもある。

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

初診時ウィルソン病を診断するために行う検査例
  1. 肝障害、精神神経障害など多彩な臨床症状を示す患者にウィルソン病を疑い診断するために必要な検査
○ ウィルソン病を疑う場合は、下記の検査を追加する。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

原因不明の肝障害患者におけるウィルソン病診断の手順(AASLDのガイドライン)
神経精神症状のある患者におけるウィルソン病診断の手順(肝障害の有無は問わず)(AASLDのガイドライン)
著者校正/監修レビュー済
2016/04/22