腹部外傷 :トップ    
監修: 箕輪良行 みさと健和病院 救急総合診療研修顧問
益子一樹 日本医科大学 千葉北総病院 救命救急センター

概要

疾患のポイント:
  1. 解剖学的に腹腔内、後腹膜に大別され、また臓器の種類から、消化管、実質臓器、血管に大別される。柔らかい、腹筋に覆われた“真性腹部”以外に、胸郭腹部、骨盤腹部が存在し、合併損傷に留意が必要である。
  1. 腹腔内出血、消化管損傷による腹膜炎の診断・治療が最も重要である。
  1. 腹部打撲痕、シートベルト痕、下位肋骨骨折などでは腹部損傷の合併を強く疑う。<図表>
 
Primary survey:
  1. 生理学的異常を来す、気道・呼吸・循環・意識の異常の早急な認知(primary survey)、およびこれらの維持(蘇生)が最優先事項である。アルゴリズム
  1. 腹部外傷では、腹腔内出血・後腹膜出血による出血性ショックの認知が重要である。バイタルサインおよびFASTにて評価を行う。 解説 
  1. primary surveyで生理学的異常を来す外傷の多くは、30分以内の手術開始・輸血を考慮すべき重症外傷である。
  1. ショックに対する診療指針:アルゴリズム
  1. 腹部外傷・出血性ショックの出血源検索:アルゴリズム
  1. 循環安定した腹部外傷の診療アルゴリズム:アルゴリズム
  1. 迅速開腹:<図表>
 

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

primary surveyと蘇生
  1. 生理学的な異常を簡便な検査にて認知し、致死的な異常に対して速やかに是正を図る(蘇生)。
  1. ABCDEアプローチにて行う。
  1. “TAFXXX+MAP+切迫するD”を見逃さないようにする。
  1. A: 気道評価
  1. B: 呼吸評価 頚部・胸部所見、胸部X線写真、FAST
  1. C: 循環評価 胸部・骨盤X線写真、FAST、外出血評価
  1. D: 中枢神経評価 意識レベル(JCS・GCS)、瞳孔径、麻痺の有無
  1. E: 脱衣・体温管理
  1. この評価の中で、末梢静脈路確保(1~2ルート)、採血(血算・生化学・凝固・感染症・血液型など)、輸血の準備などを並行して行い、致死的異常に対して蘇生を行う。
○ primary surveyとして1)~3)を行う。

追加情報ページへのリンク

薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

ショックに対する診療指針
腹部外傷・出血性ショックの出血源検索
循環安定した腹部外傷の診療アルゴリズム
腹壁損傷を認める鈍的外傷の初期診療風景
腹部穿通性異物
シートベルト痕
小腸損傷のCT像(FACT)
著者校正/監修レビュー済
2018/06/06


  • 救急 の他のコンテンツを見る
詳細ナビ