肺ランゲルハンス細胞組織球症 :トップ    
監修: 長瀬隆英 東京大学 内科学専攻器官病態内科学講座
平井豊博 京都大学

概要

疾患のポイント:
  1. ランゲルハンス細胞組織球症(LCH)とは、ランゲルハンス細胞の増殖により組織障害を来す原因不明の希少疾患である。
  1. 以前は、好酸球性肉芽腫症、Hand-Schüller-Christian病、Letterer-Siwe病の3疾患を総称してhistiocytosis-Xと呼ばれていた。
  1. 喫煙が関連するとされている。
  1. 主な自覚症状として咳嗽、息切れ、喀痰、胸痛があるが、無症状で健診などの胸部異常影として発見されることもある。尿崩症を合併の場合、多飲、多尿の症状を認める。
  1. 気胸などの症状や、胸部X線、CT検査で上肺野優位の嚢胞性陰影や結節影を認めたら本症を疑う。
  1. 20~40歳の若年を中心として、女性より男性のほうが多く、患者の90%以上は喫煙者である。
 
診断:アルゴリズム  >詳細情報 
  1. 厚生労働省難治性疾患克服研究事業呼吸不全に関する調査研究班によって、診断基準が示されている。(診断基準: >詳細情報 )
  1. 胸部CT検査(HRCT、スライス厚の薄い画像)を行い、本疾患に特徴的な所見の有無、他疾患の鑑別を行う。
  1. 診断を確定するためには、気管支鏡検査(気管支肺胞洗浄:BAL[+経気管支肺生検:TBLB])を行う。
  1. 気管支鏡検査でも特異的な所見がない場合、確定診断のためには外科的肺生検となるが、個々の症例に応じて考慮する。
 
重症度・予後評価: >詳細情報 
  1. 肺に限局した症例の予後は比較的良好であるが、慢性経過で肺病変が進行し呼吸不全に至る症例もある。
 
治療:アルゴリズム &…

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

最低限の初診時の評価例
  1. 下記は、診断時の最低限の検査オーダーである。
  1. 症状や身体所見から適宜、鑑別や合併症検索のための検査を追加する。
  1. 胸部画像検査が診断に重要であり、上肺野優位の嚢胞性陰影や結節影の所見がみられれば本症を疑う。また、特徴的な画像所見を見逃さないために、CTはスライス厚の薄い画像(HRCT)を撮像することが大切である。
  1. 呼吸状態を評価するため、SpO2や肺機能検査を行う。肺機能検査には、スパイロメトリーだけでなく、肺拡散能力も行うのが望ましい。
  1. SpO2で異常があれば、動脈血ガス分析も考慮する。
○ 診断と呼吸状態の評価のために下記の検査を行う。

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薬剤監修について:
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※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
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肺ランゲルハンス細胞組織球症の診断アルゴリズム
著者校正/監修レビュー済
2016/07/21