今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 瀬山邦明 順天堂大学大学院医学研究科呼吸器内科学

監修: 長瀬隆英 東京大学名誉教授

著者校正/監修レビュー済:2024/05/15
参考ガイドライン:
  1. 日本呼吸器学会・米国胸部医学会:Official American Thoracic Society/Japanese Respiratory Society Clinical Practice Guidelines: Lymphangioleiomyomatosis Diagnosis and Management
  1. 日本呼吸器学会・米国胸部医学会:Lymphangioleiomyomatosis Diagnosis and Management: High-Resolution Chest Computed Tomography, Transbronchial Lung Biopsy, and Pleural Disease Management.
  1. 難治性呼吸器疾患・肺高血圧症に関する調査研究班:LAMを有する成人女性においてmTOR阻害薬は第1選択となりますか?
  1. 難治性呼吸器疾患・肺高血圧症に関する調査研究班:孤発性LAMに伴う腎血管筋脂肪腫においてmTOR阻害薬の投与を考慮しますか?
  1. 難治性呼吸器疾患・肺高血圧症に関する調査研究班:リンパ脈管筋腫症に伴う気胸の再発予防策として胸腔鏡下全胸膜カバリング術は推奨されますか?
  1. 難治性呼吸器疾患・肺高血圧症に関する調査研究班:リンパ脈管筋腫症(LAM)診療の手引き2022
患者向け説明資料

改訂のポイント:
「リンパ脈管筋腫症(LAM)診療の手引き2022」の発行に伴いガイドライン改訂を行った。この手引きは上記参考ガイドライン上から2つ「Official American Thoracic Society/Japanese Respiratory Society Clinical Practice Guidelines」「Lymphangioleiomyomatosis Diagnosis and Management」の日本語訳と国内のエキスパート・オピニオンの2部構成からなっている。したがって、改訂前の診断アルゴリズムの考え方と本質的な差はないが、「リンパ脈管筋腫症(LAM)診療の手引き2022」に記載されているアルゴリズムへ差し替え、指定難病89(リンパ脈管筋腫症)の診断基準に準じた診断区分を追記した。

概要・推奨   

  1. LAMはほぼ女性に限って発症する性差の著しい疾患で、主として妊娠可能年齢の女性に発症する。LAM細胞の増殖と病変内のリンパ管新生により特徴付けられる腫瘍性疾患である。
  1. 労作性の息切れ、気胸、血痰、乳び胸水や腹水などのリンパ系機能異常による症状や所見で発症する。
  1. LAMを疑うべき特徴的な臨床像と高分解能胸部CT画像所見を契機とした診断アルゴリズムが示されている。しかし、約20%の症例では非典型的画像所見を示すことがあり注意が必要である。
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  1. 労作性呼吸困難を自覚しFEV1<70%predの気流制限がある、あるいは肺機能が経年的に低下する、あるいは内科的治療で管理困難な乳び胸水や腹水がある症例では、シロリムスを投与する(推奨度1)
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病態・疫学・診察 

疾患情報(疫学・病態)  
  1. リンパ脈管筋腫症(lymphangioleiomyomatosis:LAM)は、異常な平滑筋様細胞(LAM細胞)が増殖して肺や体軸中心リンパ系(骨盤腔から上腹部までの後腹膜腔、および縦隔)に病変を形成し、病変内にリンパ管新生を伴う腫瘍性疾患である。
  1. ほぼ女性に限って発症する性差の著しい疾患で、主として妊娠可能年齢の女性に発症する。
  1. 日本での有病率は100万人あたり約1.9~4.5人と推測されている。国、人種間での相違はないとされている。
  1. 結節性硬化症(tuberous sclerosis complex:TSC)患者に合併するTSC-LAM(結節性硬化症に合併したLAM)と、TSCとは関連なくLAMを発症するsporadic LAM(孤発性LAM)に分類される。
  1. 腫瘍抑制遺伝子として機能するTSC遺伝子(TSC1あるいはTSC2)の異常によりLAM細胞が生じる。TSC-LAMはTSC1あるいはTSC2の生殖細胞系列遺伝子変異により生じるが、孤発性LAMはTSC2の体細胞遺伝子変異によりLAM細胞が生じる。
  1. 労作性の息切れ、気胸、血痰、乳び胸水などの胸郭内病変による症状や所見、乳び腹水、腹部違和感・膨満感・腹痛、下肢のリンパ浮腫などの胸郭外病変による症状や所見で発症する。
  1. 肺には、境界明瞭な薄壁を有する類円形の嚢胞(数mm~1 cmが多い)が、両側性、上~下肺野に、びまん性に、比較的均等に散在して正常肺野内に認められる。診断にあたっては、胸部高分解能CT画像(HRCT)で、上記のような LAMに合致する所見を確認し、かつ他の嚢胞性肺疾患を除外することが重要である。
  1. 孤発性LAMでは約30~40%に腎血管筋脂肪腫を合併する。TSC-LAMでは約80%以上に合併し、多発性・両側性に認めることが多い。
  1. 診断は、特徴的な臨床像と胸部HRCT所見からLAMを疑い、診断手順に沿って診断する。LAMに特徴的な画像や臨床所見の組み合わせで臨床診断可能である。しかし、約20%の症例では非典型的画像所見を示すことがあり注意が必要である[1]。病理組織学的診断は推奨されるが、肺機能障害の進行した症例では侵襲性やリスクが高いため、診断に必須とはされていない。
  1. リンパ脈管筋腫症は指定難病であり、重症度II以上では、医療費の自己負担分の一部が公費負担として助成される。(平成27年1月施行
  1. 難病法に基づく医療費助成制度
 
  1. LAMは肺に多数の嚢胞が生じ、気胸を合併しやすい疾患である。航空機による旅行では、客室内の気圧が約0.81気圧に調節されているため、気胸発生のリスクを説明する必要がある。しかし、LAMという疾患のベースラインの気胸発生率を超える程のリスクではないと考えられる(エビデンスランクO)。(参考文献:[2]
  1. 気胸発症のリスクについて、米国と英国の患者団体に登録されたLAM患者308例に対して質問票を用いた調査が行われた。
  1. 回答した308人のうち、276人(90%)は航空機に搭乗したことがあり、全員の延べ搭乗回数は454回であった。95人(35%)は主治医から航空機搭乗を避けるように指導されていた。搭乗後、10人(うち8人は胸部X線写真で確認)で気胸が発生し、搭乗回数の観点からはLAM患者の全搭乗回数の2%に気胸が合併したことになるが、5人は搭乗前から気胸症状があった。残りの5人では、2人は巡航飛行中に、2人は着陸後まもなく気胸を生じ、1人はタイミング不明であった。
  1. 航空機に搭乗するかどうかは患者ごとに決断する必要があるものの、ほとんどのフライトで重大な合併症なく経過していると考えられる。
  1. 追記:LAMと診断される前から肺には多数の嚢胞が生じているはずであるが、多くの患者は診断前に何度も飛行機旅行を経験している。飛行機旅行に際して気胸を発症し、それがLAMの診断契機となった症例は皆無ではないが、非常にまれである。
 
  1. 気胸で発症した症例は、労作時息切れで発症した症例より予後良好である(推奨度2O)(参考文献:[3]
  1. わが国にて初発症状で層別化した観察研究が行われた。
  1. わが国のLAM予測生存率は、それぞれ5年後が91%、10年後が76%、15年後が68%であった。これをLAM発症時の初発症状別にみると、気胸で発症した症例の10、15年後生存率はそれぞれ89%、89%であったのに対し、労作時呼吸困難を契機に発症した症例は、60%、47%と予後不良であった。また、診断後の呼吸機能指標の経年的変化率に関しても、労作時呼吸困難発症群は気胸発症群と比較して有意に低下していた[FEV1(-285.0 mL vs -16.8 mL/year)、FEV1/FVC(-6.1% vs -2.5%/year)、%DLco(-11.9% vs -1.6%/year)]。
  1. LAMは、閉塞性換気障害が比較的早く進行し肺移植が必要とされる症例が存在するが、一方では、積極的な治療介入を必要としない進行の遅い症例も存在する。労作時呼吸困難を初発症状として受診した発症では、予後不良な可能性があり注意を要する。
  1. 追記:労作時呼吸困難を初発症状としてLAMと診断された症例は、肺機能の経年的変化に注意を要する。
 
初発症状別にみた生存率の比較

労作時呼吸困難発症例(A群)は、気胸発症群 (B群)およびその他の群(C群)と比較して生存率が有意に低かった。(A/B p<0.01、A/C p<0.05)

出典

Mie Hayashida, Kuniaki Seyama, Yoshikazu Inoue, Keisaku Fujimoto, Keishi Kubo, Respiratory Failure Research Group of the Japanese Ministry of Health, Labor, and Welfare
The epidemiology of lymphangioleiomyomatosis in Japan: a nationwide cross-sectional study of presenting features and prognostic factors.
Respirology. 2007 Jul;12(4):523-30. doi: 10.1111/j.1440-1843.2007.01101.x.
Abstract/Text BACKGROUND AND OBJECTIVE: To evaluate the characteristics and prognostic factors of Japanese patients with lymphangioleiomyomatosis (LAM).
METHODS: A nationwide survey to identify patients with LAM was conducted by questionnaire. Survival probability was estimated using the Kaplan-Meier method, and the prognostic factors were analysed by Cox regression.
RESULTS: Data were collected on 173 patients with pulmonary LAM. The major presenting features were pneumothorax (43%) and exertional dyspnoea (37%). The survival probabilities for patients presenting with exertional dyspnoea (Group A) were 85%, 60% and 47% after 5, 10 and 15 years, respectively, and for patients presenting with pneumothorax (Group B) were 95%, 89% and 89%, respectively. Although the age at symptom onset was higher among patients in Group A than in Group B, Cox regression revealed that the presenting feature was a prognostic factor independent of age at symptom onset (Group A/B hazard ratio = 5.732, P < 0.01). In the subgroup of patients whose initial FEV(1) was >1000 mL, or FEV(1)/FVC >40%, or %DL(CO) >40%, the rate of deterioration in these tests was greater in Group A than in Group B (P < 0.01 for FEV(1), P < 0.05 for FEV(1)/FVC and %DL(CO)).
CONCLUSIONS: There are two possible subgroups of LAM patients. One subgroup that presented with pneumothorax, had onset of symptoms at a younger age and a more favourable prognosis; the other presented with exertional dyspnoea, had onset of symptoms at an older age and a poorer prognosis.

PMID 17587419
 
  1. LAMは、指定難病89として告示されている。重症度II以上では医療費助成の対象となるため難病申請を支援する(推奨度1J)
  1. 申請にあたっては、胸部CT検査(高分解能CT)でLAMに合致する所見を有し、かつ慢性閉塞性肺疾患(COPD)、ランゲルハンス細胞組織球症、Birt-Hogg-Dubé症候群など他の嚢胞性肺疾患を除外することが重要である。認定のための診断カテゴリーは、診断確実例(必須項目+病理診断確実例)、診断ほぼ確実例(必須項目+病理診断ほぼ確実例、あるいは細胞診診断例)、臨床診断例(必須項目+LAMを示唆する他の臨床所見、あるいは必須項目のみ)に分けられており、病理診断例のみならず、臨床診断例も難病事業の対象となっている。しかし、可能な限り病理学的にLAM細胞を証明することが望ましいことは言うまでもない。詳細は、難病情報センターを参照[4]
  1. 追記:LAMの肺病変は、①境界明瞭な薄壁を有する類円形の嚢胞(数mm~1 cmが多い)が、②両側肺に、かつ③上~下肺野に比較的均等に散在している、ことが画像的特徴的である。このようなLAMの特徴的な画像所見を評価するには、スライス厚1~2 mmの高分解能CTが必要である。
病歴・診察のポイント  
  1. 結節性硬化症合併の有無を確認する[5]。[例:皮膚症状(白斑や顔面の血管線維腫、爪囲線維腫、shagreen patchなど)や精神神経学的症状(痙攣発作の既往)など]
  1. 気胸、呼吸困難、血痰などの症状や所見の有無、既往、程度を確認する。

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著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
瀬山邦明 : 特に申告事項無し[2024年]
監修:長瀬隆英 : 特に申告事項無し[2024年]

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