肋軟骨炎 :トップ    
監修: 箕輪良行 みさと健和病院 救急総合診療研修顧問
植西憲達 藤田保健衛生大学 救急総合内科

概要

疾患のポイント:
  1. 肋軟骨炎は通常、片側の複数の肋骨に起こる肋骨肋軟骨接合部か、胸肋関節の非化膿性の炎症である。
  1. 胸痛患者の13~36%と、外来や救急で比較的よくみられる疾患である。
  1. 体幹の動きや深呼吸、上肢の運動で悪化する。
  1. 第2~5(特に第3、第4)肋骨レベルで起こることが多いが、どの肋骨レベルでも起こり得る。
  1. 疼痛は通常2カ所以上に起こり、多くの場合、片側性である。
 
診断:(筋骨格系由来の胸痛のアプローチ:アルゴリズム
  1. 典型的な胸痛(深呼吸、咳嗽、体幹や上肢の動きで増悪する胸痛)があり、肋骨肋軟骨接合部か胸肋関節部、またはその両方に腫脹を伴わない圧痛があり、その部位の圧迫で疼痛が再現される場合に肋軟骨炎と考えられる。疼痛部位は限局しており、1本の指で圧迫するほうがみつけやすい。疼痛部の腫脹や硬結はみられない。
  1. 心血管リスクがある場合や心肺症状がある場合、肋骨や肋軟骨の感染、悪性腫瘍が疑われる場合は、心電図、胸部X線、必要に応じて採血、胸部CTを行ってそれらを除外することが必要である。 エビデンス 
  1. 心疾患による胸痛でもまれに圧痛のあることがあり、心血管のリスクや心肺の症状(例:呼吸困難、動悸、浮腫)を確認する必要がある。
  1. 帯状疱疹は、疼痛が皮膚病変に前駆することが通常であり、デルマトームに沿った疼痛や神経痛を思わせる症状(例:軽く触れるだけで痛みが誘発、知覚過敏)に注意する。
 
重症度・予後: >詳細情報 
  1. 通常、数週から数カ月で自然寛解し、予後良好な疾患であり、重症度としての分類は通常なされない。
 
治療: >詳細情報 
  1. 鎮痛目的で、アセトアミノフェンや非ステロイド抗炎症薬(NSAIDs)を使用することが多い。
  1. 通常、数週から数カ月で自然軽快し、良好な経過をたどる。

専門医相談のタイミング: >詳細情報 
  1. 通常、専門医への紹介は不要である。
 
臨床のポイント:…

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

心血管リスクがあったり、心肺症状がある場合の肋軟骨炎診断前の評価例
  1. 肋軟骨炎の診断は病歴と身体診察で十分であるが、 心血管リスクがあったり、心肺症状がある場合下記の項目を検査しなくてはてはならない。
○ 心血管リスクがある場合1)、3)~5)を行い、虚血性心疾患を除外する。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
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筋骨格系由来の胸痛のアプローチ
著者校正/監修レビュー済
2016/06/10