心雑音(後天性心疾患) :トップ    
監修: 永井良三 自治医科大学
高階經和 高階国際クリニック

概要

所見のポイント
  1. 成人で認められる心雑音の原因疾患には、リウマチ熱の後遺症による各弁膜の狭窄・閉鎖不全、心内膜炎、腱索断裂、心筋症、成人にみられる先天性心疾患等がある。
  1. 高齢者で心雑音が聴かれる症例は、医療機関により差がみられる。リウマチ熱の後遺症として心弁膜症では僧帽弁閉鎖不全が多く、次に加齢に伴う動脈硬化性変化による大動脈弁閉鎖不全や狭窄がよくみられる。その他、残存した先天性心疾患も散見される。
  1. 左心系・右心系の血行動態を知ることが循環器疾患を考えるうえでの最初のステップである。<図表> <図表>
 
心音の評価アルゴリズム
  1. 後天性心疾患で心雑音が聴かれる主な心弁膜症は、大動脈弁狭窄(<図表>)、大動脈弁閉鎖不全(<図表> )、僧帽弁狭窄(<図表> )、僧帽弁閉鎖不全(<図表> )である。
  1. 心筋症では肥大型、拡張型ともに、収縮期雑音とIII音、IV音を伴うことが多い。その他、成人の先天性心疾患(特に心房中隔欠損)がみられることがある。
 
心音・シェーマ
  1. 心音の大きさの表記:
  1. レバイン分類(Levine’s classification):…

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

後天性心疾患を診断するための検査例
  1. 近年、急性リウマチ熱の後遺症としてみられる心弁膜症がほとんどみられなくなったが、中高年においては動脈硬化性変化として、大動脈弁硬化(狭窄)、大動脈弁閉鎖不全、僧帽弁閉鎖不全が、臨床的には比較的よく経験する症例である。
  1. 臨床では「日常語」(患者が訴える主訴や、病歴)、「身体語」(患者が苦痛などを訴えるジェスチャー)、そして「臓器語」(心音、心雑音、あるいは呼吸音や腸雑音など)を理解することが、医療者には不可欠なことがらである。臨床医は、ベッドサイドで①視診、②触診、そして③聴診という診察手技を順序正しく行うことが、どんな時代においても大切なことがらである。 
  1. 聴診において心雑音が聴かれる心疾患を診断するためには、心電図、心音図、心エコー図、胸部X線検査が必要となる。
○ 1)~4)の身体所見を取り、5)~8)の検査を行う。特に8)は必須である。

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(詳細はこちらを参照)

心雑音の種類
一心周期における左心系の循環動態
大動脈弁狭窄の身体所見と心雑音のイラスト
僧帽弁狭窄の身体所見と心雑音の僧帽弁
レバイン分類(Levine’s classification)
一心周期における右心系の循環動態
大動脈弁閉鎖不全
僧帽弁閉鎖不全
著者校正/監修レビュー済
2016/08/05


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