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著者: 德永健一郎 熊本赤十字病院 リウマチ・膠原病内科

監修: 岸本暢将 杏林大学医学部 腎臓・リウマチ膠原病内科

著者校正済:2025/05/14
現在監修レビュー中
参考ガイドライン:
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 定期レビューを行い、下記の点を加筆・修正した。
  1. タイトルを筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)に変更
  1. 米国医学研究所(IOM)の名称変更に伴い、米国医学アカデミー(NAM)に変更した
  1. 典型例と治療難渋例、症例2例を追加

概要・推奨   

  1. 筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群ME/CFSは、以前は慢性疲労症候群(CFS)と呼ばれていたが、原因不明の持続・反復する強い倦怠感を呈する疾患である。
  1. 2015年米国医学アカデミーNAM、以前は医学研究所 [IOM]の定義ME/CFSを診断する。
  1. 発熱、関節炎、筋症や筋炎所見、有意なリンパ節腫脹などの症状は、通常はME/CFSではみられないため、もしもあった場合には原因を検索すべきである。
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病態・疫学・診察 

疾患(疫学・病態)  
  1. 慢性疲労症候群(chronic fatigue syndrome:CFS)はCDC(米国疾病対策センター)により1988年に提唱され、筋痛性脳脊髄炎(myalgic encephalomyelitis:ME)や、全身性労作不耐症(systemic exertion intolerance disease:SEID)と提唱されることもあったが、筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)が用いられることが多い。
  1. ほかの疾患で説明できず、持続・反復する強い倦怠感を呈する疾患である。
  1. 原因は不明である。疾患の機序で、中枢神経、自律神経、免疫やエネルギー代謝の関与が示唆されているが、病態理解や診断に寄与する明確な根拠は得られていない。
  1. EBウイルス[1]やSARS-CoV-2[2]などのウイルス感染症や、免疫の異常、代謝内分泌の異常、神経精神の要素などが原因として研究・報告されているが、証明されたものはない。ウイルス感染症が発症のきっかけだったという患者は多い。
  1. 慢性の倦怠感の訴えは日常診療においてよく遭遇する。ME/CFSはその中のごく一部にすぎない。
  1. 疾患定義によっても有病率はまちまちであり疫学も不明である。
  1. 若年から中年成人に好発するが、小児例や高齢例もある。多くの報告において、男性に比べて女性が2倍。
  1. 疾患定義は複数あるが、2015年に米国医学アカデミー(National Academy of Medicine:NAM、以前は医学研究所(the Institute of Medicine:IOM)から提唱されている。
  1. 6カ月以上の間、中等度、相当な、もしくは重度の症状が少なくとも半分の期間に持続する。倦怠感に加えて、労作後倦怠感、すっきりしない睡眠、認知機能低下、および起立調節に関連した症状が挙げられる。
  1. 米国医学研究所(IOM、現NAM)によるCFS/全身性労作不耐性疾患の診断基準、2015年: >詳細情報 
問診・診察のポイント  
  1. 倦怠感の発症は比較的急性であり、上気道炎や伝染性単核球症が契機であることがしばしばある。徐々に数カ月かけて発症することもある。

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オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光および日本医科大学多摩永山病院 副薬剤部長 林太祐による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、 著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
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(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
德永健一郎 : 特に申告事項無し[2025年]
監修:岸本暢将 : 講演料(日本イーライリリー(株),UCB,ブリストル・マイヤーズスクイブ(株),中外製薬(株),田辺三菱製薬(株),第一三共(株),アッヴィ合同会社,エーザイ(株),ヤンセンファーマ(株),旭化成ファーマ(株))[2025年]

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筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)

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