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著者: 土戸康弘 京都大学大学院医学研究科臨床病態検査学/京都大学医学部附属病院検査部・感染制御部

監修: 山本舜悟 大阪大学大学院医学系研究科 変革的感染制御システム開発学

著者校正/監修レビュー済:2024/05/29
参考ガイドライン:
  1. Luzuriaga K, Sullivan JL:Infectious mononucleosis、2010 Oct 7;363(15):1486.(PMID: 20505178)
  1. Womack J, Jimenez M:Common questions about infectious mononucleosis、2015 Mar 15;91(6):372-6.(PMID: 25822555)
※参考になる総説として掲載
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 定期レビューを行った(大きな変更なし)。
  1. 典型的なEBVによる伝染性単核症の症例について加筆した。診断においては同様の病態を呈する他疾患を丁寧に鑑別することが重要である。

概要・推奨   

  1. 伝染性単核球症(infectious mononucleosis:IM)はEpstein-Barr virus(EBV)の感染によって発症するウイルス性感染症である。
  1. 発症時期は主に5~25歳に多く、咽頭痛で受診する16~20歳の8%を占めるとされている。脾腫、肝腫大、黄疸、脾破裂などの合併症を生じることがある。
  1. 伝染性単核球症を疑う場合は典型的な徴候とされる発熱、咽頭炎、リンパ節腫脹、倦怠感、リンパ球増多を確認する。またそうした症状にしばしば先行してみられる筋痛、頭痛、微熱などの症状も確認する(推奨度1)
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病態・疫学・診察 

疾患情報(疫学・病態)  
  1. 伝染性単核球症(infectious mononucleosis:IM)はEpstein-Barr virus(EBV)の感染によって発症し、発熱、咽頭炎、リンパ節腫脹、倦怠感、異型リンパ球増多を特徴とする。発症時期は主に5~25歳に多く、咽頭痛で受診する16~20歳の8%を占めるとされている。脾腫、肝腫大、黄疸、脾破裂などの合併症を生じることがある。
  1. 19世紀末頃にFilatovとPfeifferがほぼ同時に発熱、咽頭炎、リンパ節腫張を3主徴とする疾患を腺熱(glandular fever)として報告した。1920年SpruntとEvansらは腺熱の患者の末梢血にリンパ球増多と異型リンパ球(細胞質が広く濃染した核を持つ単核球)増多がみられることからIMという名称を用いた。1932年PaulとBunnellがIM患者の血清が羊の赤血球を凝集させる特徴があることを発見し、異好抗体(heterophile antibody)の存在が血清学的診断に有用であることを報告した。1964年Epstein、Barrらによって新しいヘルペスウイルスが発見され、Epstein-Barr virus(EBV)と命名され、1968年Henleらが初めてIMとEBVとの関係性を報告した。
  1. EBVはヘルペスウイルス科ガンマヘルペスウイルス亜科に属する約172 kbp の2本鎖DNAウイルスで、直径は約150~220 nm。通常ヒトにのみ感染し生涯にわたり体内に存在する。ほとんどの場合初感染によるIMとして発症するが、まれに慢性活動性感染として発症することもある。
  1. EBVは唾液中に排出され、密な接触を介してヒトからヒトへと感染する。成人では90~95%が抗体陽性で既感染。小児では発展途上国で100%近くが抗体陽性、米国で社会経済的に低い層では25~50%が抗体陽性。小児期での密接な接触と悪い衛生状態がより早い時期での感染とその後の感染拡大に関係している。
  1. 小児期に感染するとしばしば無症候性で、発症するのは感染した小児の10%以下である。10歳代から成人早期にかけて症候性感染の頻度は増加する。大規模研究によると15~24歳に発症の頻度はピークとなる[1]。英国での研究では年齢があがるにつれ重症度は増し、入院を要するケースが増えている[2]。小児と早期成人との症状の違いはウイルスが感染するB細胞による細胞性免疫応答の強度や感染時のウイルスサイズに関連しているとされている。
  1. 扁桃上皮細胞に感染し増殖したウイルスは主にBリンパ球に感染する。EBVが増殖サイクルに入ると唾液中のウイルス量が増加する。ウイルス量は感染後1年間で減少し生涯にわたり持続する。EBVの感染、増殖を宿主側はナチュラルキラー細胞やウイルス特異的Tリンパ球を介して排除しようとする。そうしたリンパ球から産生される炎症性サイトカインによる過剰な免疫反応の結果、発熱などのさまざまな臨床症状が生じる。その後EBV感染Bリンパ球は潜伏感染し、限られた遺伝子のみが発現し、宿主の免疫機構を回避する。免疫抑制状態などの何らかの理由で再活性化することがある。
問診・診察のポイント  
  1. 典型的な徴候とされる発熱、咽頭炎、リンパ節腫脹、倦怠感、リンパ球増多を確認する。またそうした症状にしばしば先行してみられる筋痛、頭痛、微熱などの症状も確認する[3][4][5]
  1. 成人では典型的な徴候を呈しないことがしばしばあり注意する。40歳以上では咽頭炎、筋痛が多く、頚部リンパ節腫脹は少ない。発熱も数週間持続することがある[6]
  1. 非典型例では単核球症様疾患(mononucleosis-like illness:MLI)である可能性もあり、EBV以外も鑑別疾患として考慮する。

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著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
土戸康弘 : 未申告[2024年]
監修:山本舜悟 : 企業などが提供する寄付講座(日本財団)[2024年]

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伝染性単核球症

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