消化管内異物 :トップ    
監修: 木下芳一 島根大学医学部附属病院
羽生泰樹 大阪府済生会野江病院 消化器内科

概要

ポイント:
  1. 消化管内異物とは、食物以外の、通常消化管内にないものが消化管内に停滞する状態である。
  1. 消化管内異物の頻度について系統的な疫学資料はないが、日常診療において比較的よく遭遇する病態である。
  1. 異物の存在(停滞)する部位により、食道異物、胃内異物、十二指腸異物、小腸異物、大腸異物、直腸異物に分類される。
 
診断: >詳細情報 
  1. 問診、診察より消化管内異物を疑った場合には、単純X線(正面・側面)、また可能であればCTを行う。
  1. 小児では硬貨、磁石、ボタン電池、遊具など、成人ではPTP(press through package)、魚骨、義歯などの誤飲が多い。
  1. 消化管内異物の分類:<図表>
  1. 誤飲されやすい異物:<図表>
 
合併症の評価:
  1. バイタルサインの確認とともに、穿孔や腸閉塞を疑う症状がないかに注意する。単純X線、可能であればCTを行うことが望ましい。CTでは縦隔気腫、穿孔、腸閉塞などの所見についても高い感度で評価可能である。
 
予後:
  1. 経口的に侵入した異物のうち、80~90%は自然排出され、10~20%が内視鏡的に摘出され、約1%が外科的処置を要するとされる。
 
治療:アルゴリズム  >詳細情報 
  1. 異物の部位と種類、臨床症状の有無によって、1. 摘出か自然排泄を期待しての経過観察か、2. 摘出を行う場合、緊急で行うか待機的か、3. 摘出方法(内視鏡的または外科的)を決定する。
  1. 消化管内異物はその形状、内容物の毒性の有無などにより、分類され、それぞれ緊急性の有無を判断する必要がある。消化管壁を損傷する可能性のあるもの、消化管閉塞の可能性のあるもの、内容物が消化管内に排出されると重大な影響が生じ得るものは摘出の対象となる。
  1. 消化管内異物の分類:

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

診断のための初期検査例
  1. 異物がX線透過性、非透過性にかかわらず、推定される部位に応じて単純X線(正面・側面)検査を行う。
○ 1)、2)、3)のいずれかのX線検査を行うが、2~3部位のX線検査が必要なこともある。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
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尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
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著者校正/監修レビュー済
2016/04/01


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