B型肝炎(治療)

著者: 茶山一彰 広島大学大学院 医歯薬保健学研究院 消化器・代謝内科学

著者校正/監修レビュー済:2019/04/05

概要・推奨  

  1. 非活動性キャリアであっても、肝細胞癌を発症することがあるため、定期的な経過観察が必要である(推奨度2)
  1. B型慢性肝炎に対する長期的な核酸アナログ治療により、緩徐ではあるが、肝組織の線維化改善が期待され、肝硬変例では、アルブミン値の増加や腹水の減少が期待できる。
  1. IFNの投与期間は、24週間を原則とするが、有効症例(HBV DNA低下、ALT値正常化)は、48週間投与が望ましい(推奨度1)
  1. 現在、ラミブジンを単独投与されている症例においては、ガイドラインにより、HBV DNA量に応じて、エンテカビルへの切替やテノホビル追加投与、エンテカビルとテノホビルの併用療法への変更が推奨されている(推奨度1)
  1. 核酸アナログ製剤の登場や肝移植技術の向上により、B型急性肝炎からの肝不全症例の救命率は向上した(推奨度2)
  1. HIV・HBVの重複感染例に対して、エンテカビル(バラクルード)を単独投与すると、HIVの耐性変異を誘導する可能性がある。そのため、B型急性肝炎患者では、HIV感染を否定したうえで、核酸アナログ治療を検討する必要がある(推奨度1)
  1. エンテカビルやテノホビルの抗ウイルス効果は、非常に強力である(推奨度1)
  1. 長期的な核酸アナログ治療による持続的なHBV DNA陰性化およびALT正常化により、肝発癌率の低下が期待できる(推奨度1)。
  1. アデホビルやテノホビルを含む核酸アナログ治療を行う場合には、腎機能障害、低リン血症(Fanconi症候群を含む)、骨密度低下に注意が必要である(推奨度2)
  1. 核酸アナログ治療を中止すると、高率にHBV DNAの再上昇、ALTの再上昇を来す可能性がある(推奨度2)
  1. B型慢性肝炎に対して、ペグインターフェロン治療を行うことにより、HBV DNAの減少やALTの正常化が得られるだけでなく、他のインターフェロンに比べ、高率にHBsのクリアランスが得られる可能性がある(推奨度2)
  1. B型急性肝炎例では、入院時や脳症出現時には、脳浮腫の有無を確認することが重要である(推奨度2)
薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

改訂のポイント:
  1. 定期レビューを行い、「日本肝臓学会 B型肝炎治療ガイドライン(第3版)および抗HIV治療ガイドライン2018に基づき、加筆修正を行った。


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