肝癌(初期) :トップ    
監修: 金子周一 金沢大学大学院
山下竜也 金沢大学先進予防医学研究センター

概要

疾患のポイント:
  1. 肝癌とは、肝臓に発生する悪性腫瘍の総称である。肝癌は原発性肝癌と転移性肝癌に大別される。肝癌の大部分は肝細胞癌(94.7%)である。ほかに、肝内胆管癌(4.4%)、混合型、肝芽腫、未分化癌などが存在する。
  1. 日本での肝細胞癌の約80%はB型またはC型肝炎ウイルス感染を背景とする。
  1. 近年、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)を背景とする肝炎ウイルス感染のみられない肝細胞癌が漸増している。
 
診断: >詳細情報 
  1. 肝硬変や慢性肝炎などの慢性肝疾患を有し、画像所見で典型的な肝細胞癌の所見を呈した場合に肝細胞癌と診断される。
  1. 典型的な肝細胞癌の所見とは、ダイナミックCTやダイナミックMRIで動脈相にて肝腫瘍が濃染し、門脈相または平衡相で周囲肝実質より相対的な低吸収域となる(wash out)ことである。
  1. CTやMRIで典型的な肝細胞癌の所見がない場合には、腫瘍生検を考慮する場合がある。
 
検査の方針:
  1. 肝予備能の評価のため:
  1. 血液検査
  1. 画像評価(腹水)
  1. 肝腫瘍の病期:
  1. ダイナミックCT、ダイナミックMRIによる腫瘍数と腫瘍径、脈管侵襲について
 
ステージング・合併症評価:
  1. 肝細胞癌の病期分類にはTNM分類、BCLC分類、CLIP scoreなどがあるが、治療の選択には、肝予備能、腫瘍のサイズ、腫瘍の個数、腫瘍の部位、脈管への侵襲、遠隔転移の有無を考慮した治療アルゴリズム――の評価が有用である。
 
予後評価:
  1. 日本の「全国原発性肝癌追跡調査報告書」によると、初回治療として、
  1. 肝切除治療を受けた患者の5年生存率は56.8%
  1. ラジオ波焼灼療法(RFA)を受けた患者の5年生存率は57.7%
  1. 肝動脈塞栓術(TACE)を受けた患者の5年生存率は25.6%
――と報告されている。
 
治療: >詳細情報 
  1. Barcelona Clinic Liver Cancer(BCLC)グループのガイドラインや肝癌診療ガイドラインなどのアルゴリズムが有用である。
  1. 肝細胞癌の治療アルゴリズム:

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

初診時の検査
  1. 肝予備能と腫瘍のサイズ、数と脈管侵襲から治療方針を決定する。
○ 初診時に、下記の検査を考慮する。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

肝細胞癌の治療アルゴリズム
著者校正/監修レビュー済
2018/05/23

改訂のポイント:
  1. 日本肝臓学会編:肝癌診療ガイドライン2017年版
に基づき改訂。


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