溶血性貧血

著者: 杉原尚 川崎医科大学 総合内科学4

著者: 中西秀和 川崎医科大学 総合内科学4

監修: 木崎昌弘 埼玉医科大学総合医療センター

著者校正/監修レビュー済:2019/10/26

概要・推奨  

  1. 特発性の温式AIHAの治療では、ステロイド薬が第1選択である(推奨度2)。
  1. 特発性の温式AIHAの治療において、ステロイド薬の禁忌例や無効例では摘脾術、免疫抑制薬が第2選択として考慮される(推奨度2)。
  1. 特発性の温式AIHAの発症/診断から5年後の生存率は約80%であり、高齢者の予後は相対的に不良である。続発性では、3年までに約50%の死亡が記録され、基礎疾患が主要な予後因子である。
  1. AIHA症例における輸血は安易に行うべきではないが、薬物療法が効果を発揮するまでの期間において救命的な輸血は機を失わずに行う必要がある(推奨度2)。
  1. クームス試験陰性で診断・治療に苦慮する溶血性貧血の症例においては、クームス陰性AIHAである可能性を考慮し、赤血球結合IgGの定量検査を行って診断することが推奨される(推奨度2)。
  1. HSにおける病的赤血球は脾臓で捕捉・破壊されて溶血を生じることから、摘脾によってほぼ確実に臨床的治癒を期待できる。しかしながら、摘脾に伴う合併症として、重篤な敗血症や髄膜炎は無視できない問題である。HSの重症度に応じて摘脾の適応や施行時期を決定することが推奨される(推奨度2)。
  1. HSの摘脾術の手法として、開腹術、腹腔鏡下摘脾術、脾臓部分切除術が行われている。HS症例において、どの手法が優れているかの比較試験はない。
  1. CBCのパラメーターとして、MCHCとRDWの高値はHSを疑わせる重要な所見である(推奨度2)。
  1. HSの診断検査として、従来からの赤血球浸透圧抵抗試験や自己溶血試験ともに、赤血球EMA結合能検査や寒冷溶血検査も有用な検査として認識されている。溶血性疾患の症例でHSの可能性が考慮された際には、確定診断のために実施可能な範囲でこれらの検査を組み合わせることが推奨される(推奨度2)。
薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

改訂のポイント:
  1. 定期レビューを行い、準拠ガイドライン記載を行った。疾患の内容については変更なし。 


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