亜急性甲状腺炎 :トップ    
監修: 平田結喜緒 公益財団法人 兵庫県予防医学協会 健康ライフプラザ
西川光重 神甲会 隈病院

概要

疾患のポイント:
  1. 亜急性甲状腺炎は、有痛性甲状腺腫と、甲状腺濾胞の破壊による一過性甲状腺中毒症を特徴とする疾患である。
  1. 急性上気道炎などの感染症状の前駆症状をしばしば認める。その後、前頚部、側頚部から耳部にかけての痛みと発熱を訴える。また、 甲状腺腫 は、その硬さや表面の不整な所見などから、慣れていないと悪性腫瘍を疑わせる。
  1. 経過中、甲状腺の疼痛部位が反対側に移動(creeping)することがある。
 
診断: >詳細情報 
  1. まず、血中FT4高値、TSH低値から甲状腺中毒症があることを確認し、CRP、赤沈(ESR)などで炎症所見が陽性であることを確認する。白血球数は正常のことが多いが、軽度の上昇を来すこともある。
  1. ほかの所見として、甲状腺超音波(エコー)検査で、疼痛・圧痛部に一致して低エコー域を認める。また、急性期は、放射性ヨウ素(または99mTc)甲状腺摂取率が著明に低下する。
  1. 亜急性甲状腺炎(急性期)の診断ガイドライン:<図表>
  1. 亜急性甲状腺炎急性期の甲状腺エコー:<図表>
  1. 甲状腺中毒症の鑑別診断:アルゴリズム
 
予後: >詳細情報 
  1. 急性期には痛みや発熱が強い疾患であるが、基本的には数カ月で治癒する疾患である。通常、甲状腺中毒症期から一過性の甲状腺機能低下症期を経過して、数カ月で甲状腺機能は自然に改善するが、まれに永続性甲状腺機能低下症を来すことがある。
 
治療: >詳細情報 
  1. 禁忌がなければステロイド薬(例えばプレドニゾロン(プレドニン)15mg/日など)を投与する。ステロイドが使えない場合は非ステロイド抗炎症薬(NSAIDs:例えばジクロフェナク(ボルタレン)25mg 3錠/日など)を用いる。動悸、頻脈に対してはβ遮断薬を投与する。
 

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

破壊性甲状腺中毒症と甲状腺炎症を評価するための検査
  1. 甲状腺中毒症があって、その原因がバセドウ病でなく、甲状腺からのホルモン漏出によることを確認することが重要である。
  1. 炎症反応が高値であることを確認する。
  1. 甲状腺エコーでは、圧痛部に一致して低エコーとなる。
○ 圧痛を伴う甲状腺腫がある場合、ほかのルーチン検査に追加し、下記の検査を行う。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

甲状腺中毒症の鑑別診断
亜急性甲状腺炎(急性期)の診断ガイドライン 2013
亜急性甲状腺炎急性期の甲状腺エコー
著者校正/監修レビュー済
2017/05/31