妊娠による高血糖(糖尿病) :トップ    
監修: 野田光彦 埼玉医科大学
安田重光 埼玉医科大学 内分泌・糖尿病内科

概要

疾患のポイント:
  1. 妊婦の糖代謝異常は「妊娠糖尿病」、「妊娠中の明らかな糖尿病」、「糖尿病合併妊娠」に分類される。この中で、「妊娠糖尿病」及び「妊娠中の明らかな糖尿病」の2つをまとめて「妊娠による高血糖(糖尿病)」と称し、本稿で述べる。
  1. 妊娠糖尿病とは、妊娠中にはじめて発見または発症した糖尿病に至っていない糖代謝異常である。妊娠時に診断された明らかな糖尿病は含まれない。
  1. 妊娠糖尿病のスクリーニングについて:糖尿病診療ガイドラインでは、初診時に随時血糖測定(≧100mg/dLを陽性とする)を行い、陽性の場合には75gOGTT(oral glucose tolerance test)を施行する。スクリーニングで陰性であった妊婦もしくは75gOGTTで診断に至らなかった妊婦は再度、妊娠24~28週に随時血糖測定 (≧100mg/dLを陽性とする)を行い、陽性の場合には75gOGTTを行う。 エビデンス  エビデンス  エビデンス 
  1. (産婦人科診療ガイドラインによると、妊娠初期に随時血糖測定[カットオフ値は各施設で独自に設定する]を行い、スクリーニングで陰性であった妊婦もしくは75gOGTTで診断に至らなかった妊婦は、妊娠24~28週に50gGCT(glucose challenge test) [≧140mg/dLを陽性とする]あるいは随時血糖測定 [≧100mg/dLを陽性とする]を行う。)
  1. 妊娠中に発見された場合において、空腹時血糖値126mg/dL以上またはHbA1c6.5%以上のどちらかを満たせば妊娠中の明らかな糖尿病と診断する。

診断: >詳細情報 
  1. 75gOGTTを行い、下記の基準の1点以上を満たした場合に妊娠糖尿病の診断となる。 エビデンス 
  1. 空腹時血糖値 92mg/dL以上
  1. 1時間値 180mg/dL以上
  1. 2時間値 153mg/dL以上
  1. 糖尿病と臨床診断されるものは除外する。

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

妊娠による高血糖(糖尿病)のスクリーニング例
  1. 妊婦全員に対し、初診時にスクリーニング検査として随時血糖測定を行う。 エビデンス  エビデンス  エビデンス 
  1. 糖尿病診療ガイドラインでは、随時血糖値≧100mg/dLの場合、75gOGTTで妊娠糖尿病を診断する。
  1. 産婦人科診療ガイドラインでは、随時血糖測定(カットオフ値は各施設で独自に設定する)を行い、陽性の場合75gOGTTにて妊娠糖尿病の診断を行うとしている。
  1. 75gOGTT実施時に測定された空腹時血糖値≧126mg/dL、またはHbA1c≧6.5%のいずれかを満たせば妊娠中の明らかな糖尿病と診断する。
  1. 眼底検査で糖尿病網膜症の所見を認めた場合には、糖尿病合併妊娠と診断する(糖尿病合併妊娠の項参照)。
  1. HbA1cの測定をもって妊娠中の明らかな糖尿病に該当する場合には、75gOGTTの施行は必要ない。また、随時血糖値が200mg/dL以上の場合には妊娠中の明らかな糖尿病の可能性を念頭におき、75gOGTTを施行する前に空腹時血糖値とHbA1cを確認する。その際には眼底検査も行う。妊娠中の明らかな糖尿病と診断されれば75gOGTTを行う必要はない。
○ スクリーニングとして1)を、随時血糖値100mg/dL以上の場合は2)、3)、4)を行う。

追加情報ページへのリンク

薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

妊娠糖尿病の診断アルゴリズム
著者校正/監修レビュー済
2018/08/10

改訂のポイント
  1. 糖尿病診療ガイドライン2016
  1. 産婦人科診療ガイドライン産科編2017
に基づき確認を行った。


  • 代謝 の他のコンテンツを見る
詳細ナビ