僧帽弁狭窄症

著者: 中谷 敏 社会福祉法人恩賜財団 大阪府済生会千里病院

監修: 今井靖 自治医科大学 薬理学講座臨床薬理学部門・内科学講座循環器内科学部門

著者校正済:2020/06/05
現在監修レビュー中


概要・推奨  

疾患のポイント:
  1. 僧帽弁狭窄症の主病態は、僧帽弁が狭窄することにより生じる左房から左室への血液流入障害である。
  1. リウマチ性のものは交連部の癒合と弁尖硬化により弁の開放制限を来す。一方、弁輪石灰化に伴うものは弁輪部面積自体が狭小化する。
  1. 心拍出量を保つために左房圧が上昇し、そのため肺静脈圧が上昇し肺高血圧を生じる。肺高血圧は右心系の拡大を来し、右心系の拡大は三尖弁閉鎖不全を生じ肝腫大、末梢浮腫をはじめとした右心不全症状を引き起こす。
  1. 高率に心房細動と合併する。血栓塞栓症のリスクが高い。
 
診断: >詳細情報 
  1. 確定診断および重症度評価には、心エコー図検査が必須である。
  1. リウマチ性僧帽弁狭窄症、弁輪部石灰化を評価する。
重症度・予後: >詳細情報 
  1. 症状の有無、程度および心エコー図検査で評価された重症度および肺高血圧の程度で予後を判断する。
  1. 重症度評価は弁間平均圧較差および弁口面積で行う。重症度評価を表(僧帽弁狭窄症の重症度:<図表>)に示す。僧帽弁弁口面積が1.5cm2以上は軽症、1.5cm2未満は中等症、1.0cm2未満は重症の僧帽弁狭窄症である。
 
治療: >詳細情報 アルゴリズム
  1. 治療方針は、症状の有無、弁口面積で治療方針を決定する。アルゴリズム
  1. 無症状の重症僧帽弁狭窄症は年1回程度、中等症狭窄症は1~2年に1回程度、軽症狭窄症は3~5年に1回程度心エコー図検査でフォローする。
  1. 運動負荷で肺高血圧が誘発される例では侵襲的治療を考える。
  1. 治療には経皮経静脈的僧帽弁交連切開術(PTMC)と外科治療がある。PTMCの適応を表(僧帽弁狭窄症に対する外科手術/PTMCの推奨とエビデンスレベル:…
検査・処方例
※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

僧帽弁狭窄症の診断のための検査例
  1. 僧帽弁狭窄症の存在診断、重症度評価に必須である。
○ 理学所見、心電図、胸部X線に加えて、心エコー検査が必須である。

薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
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