レイノー現象 :トップ    
監修: 岸本暢将 聖路加国際病院
土師陽一郎 大同病院 膠原病・リウマチ内科

概要

所見のポイント:
  1. レイノー現象とは、寒冷刺激や精神的緊張によって、手足の小動脈が発作的に収縮し、手や足の指の皮膚の色が蒼白、暗紫になる現象である。
  1. 正確な有病率は不明であるが、人口の数%から十数%といわれる。
  1. レイノー現象は強皮症関連疾患などの全身疾患の部分症状である可能性があり、検索を行うことで他の臓器病変を早期発見できる可能性がある。超早期の強皮症の暫定診断基準に基づき抗核抗体、抗セントロメア抗体、抗トポイソメラーゼ1抗体、抗RNAポリメラーゼIII抗体と爪上皮の毛細血管の観察が望ましい。
 
診断: >詳細情報 
  1. 広く受け入れられている厳密な診断基準がなく、診断は臨床診断であり、寒冷曝露による四肢末端の白、紫、赤色などの変化がある場合に診断となる。
 
原因疾患の評価:
  1. レイノー現象を認めた場合は、二次性の可能性、特に膠原病が背景になっている可能性を考慮する。後に膠原病を発症することもあり、特に全身性硬化症の前駆症状となることがある。血管攣縮が多いが、血管攣縮以外の鑑別も必要になる場合がある。
  1. 鑑別すべき病態としては血管炎、血栓症、神経疾患、血管閉塞、血液疾患、薬剤性、職業性が挙げられる。
  1. 診断当初にはっきりとした疾患がみつからなくても、引き続き注意が必要である。特に、爪上皮毛細血管異常を認める場合には膠原病の可能性が高い。 エビデンス 
 
治療: >詳細情報 
  1. まとめ:
  1. 持続する虚血を伴わないレイノー現象については、まずは非薬物療法が、続いて薬物療法の併用が行われる。
  1. 薬物療法を何種も組み合わせる前に、必ず誘引となることを避けるように具体的に指導することが肝要である。
  1. 非薬物療法:
  1. 寒冷曝露、精神的ストレス、血管収縮作用のある薬剤、喫煙を避ける(特に、四肢末端のみでなく体全体を冷やさないようにする)などの非薬物療法をまず行うことが強く推奨される。 エビデンス 
  1. 薬物療法:
  1. 持続する虚血により指尖部の潰瘍がみられる場合は血管拡張薬の使用が望ましい。C…

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

原因評価例
  1. ポイント:
  1. 下記の鑑別疾患に基づき、原因を評価する。特に全身性硬化症の評価は重要である。 エビデンス 
  1. 膠原病:
  1. 全身性硬化症、混合性結合組織病、多発性筋炎、皮膚筋炎
  1. 全身性エリテマトーデス(SLE)
  1. 関節リウマチ
  1. シェーグレン症候群
  1. 神経原性障害:
  1. 椎間板疾患、脊髄空洞症、手根管症候群、胸郭出口症候群など
  1. 血管閉塞性疾患:
  1. 閉塞性動脈硬化症、末梢動脈塞栓症など(50歳以上の男性では、四肢のアテローム性動脈硬化症でしばしばレイノー現象が認められる)
  1. 血液疾患:
  1. クリオグロブリン血症、寒冷凝集素症、異常蛋白血症など
  1. 薬剤:
  1. 麦角剤、メチセルジド、β遮断薬、経口避妊薬、ブレオマイシン(ブレオ)、ビンブラスチン(エクザール)、シスプラチン(ランダ)、シクロスポリン(ネオーラル)、クロニジン(カタプレス)、ニコチン、コカイン、ポリ塩化ビニルなど
  1. 職業性:
  1. 振動機器を定期的に使用する作業員は、レイノー現象の一種である白ろう病を発症することがある。
  1. タイピストやピアニストなどでは、指が頻回の物理的ストレスにさらされるため、レイノー現象が発生しやすい。
○ 上記の鑑別疾患に基づき、下記の検査を考慮する。まずは1)-12)を行い、異常がなければ13)-18)を行う。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
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著者校正/監修レビュー済
2017/01/20