強直性脊椎炎

著者: 小林茂人 順天堂大学医学部附属 順天堂越谷病院 内科

監修: 上阪等 千葉西総合病院 膠原病リウマチ内科

著者校正/監修レビュー済:2018/11/22

概要・推奨  

ポイント:
  1. 強直性脊椎炎(ankylosing spondylitis: AS)は、①仙腸関節炎・脊椎炎および末梢関節炎・付着部炎がある、②血清のリウマトイド因子陰性である、③HLA-B27を高率(約90%)に保有する――という特徴を持つ疾患で、発症は45歳未満で、3:1に男性が多く、仙腸関節・脊椎および末梢関節を障害する。背部痛は「炎症性背部痛(IBP)」と呼ばれ、3カ月以上認められる背部痛であり、①30分以上の朝のこわばり、②背部痛は運動によって改善され、安静では改善されない、③睡眠時間の後半(明け方)に背部痛のため起こされる、④左右に移動する殿部痛――の4項目の特徴を持ち、2項目を満足すれば、IBPが存在すると分類される(ベルリン基準)。<図表>
  1. 脊椎関節炎のスクリーニング:<図表>
  1. 強直性脊椎炎は、厚生労働省の定める指定難病であり、診断基準および重症度分類を満たす場合は申請し認定されると医療費の自己負担分の一部が公費負担として助成される。([平成27年11月施行])
  1.  難病法に基づく医療費助成制度 
 
診断: >詳細情報 
  1. これまでの診断は、改訂ニューヨーク基準が用いられてきた。しかし、単純X線で仙腸関節の所見が出現する時期は50%以上の症例が発症後5年以上かかる。このためMRIでの脂肪抑制T2強調像またはSTIR像によって早期より診断が可能になり、ASASによる分類基準が提唱された。
  1. 強直性脊椎炎の改訂ニューヨーク基準:<図表>
  1. ASASの分類基準では、体軸性(axial)SpAおよび末梢関節(peripheral)の脊椎関節炎(Spondyloarthritis: SpA)の分類基準がある。体軸性SpAの診断には、①炎症性背部痛、②HLA-B27の存在、③仙腸関節の画像所見(MRI)――が、SpAの分類に重要であることが理解できる。また、仙腸関節炎・脊椎炎が認められず、末梢関節炎が先行するASの場合、ASASの末梢性の脊椎関節炎の分類基準を参考に診断する。(疾患の診断: >…
ASASによる炎症性背部痛(IBP)の基準
 
強直性脊椎炎の改訂ニューヨーク基準
 
脊椎関節炎の分類(体軸性と末梢性)
 
体軸性脊椎関節炎(axial SpA)のASAS分類基準
 
末梢性の脊椎関節炎(peripheral SpA)の分類基準
 
脊椎関節炎(spondyloarthritis、SpA)に含まれる疾患
 
ASAS/EULAR AS治療に関する推奨(2006年)
 
ASAS/EULAR AS治療に関する推奨(2016年改訂版):axial SpAの管理における包括的な原則
 
リウマチ専門医への紹介(強直性脊椎炎または体軸性関節炎患者に関して)
 
体軸性脊椎関節炎のASAS分類基準に使用されている項目の詳細I
 
検査・処方例
※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

強直性脊椎炎を疑う場合の評価例
  1. これまでの診断は、改訂ニューヨーク基準が用いられてきた。しかし、単純X線で仙腸関節の所見が出現する時期は50%以上の症例が発症後5年以上かかる。このためMRIでの脂肪抑制T2強調像またはSTIR像によって早期より診断が可能になり、ASASによる分類基準が提唱された。
  1. 強直性脊椎炎の改訂ニューヨーク基準:<図表>
  1. 脊椎関節炎の分類:<図表>
  1. 体軸性脊椎関節炎(axial SpA)のASAS分類基準:<図表><図表><図表><図表><図表>
  1. 体軸性脊椎関節炎(axial SpA)の診断アルゴリズム:<図表>
  1. 個々の症例の診断:
  1. 成書に記載されているさまざまな徴候を正しく理解する
  1. 最も重要なことは、鑑別・除外診断を正しく理解することである
  1. 経験のある医師と症例の検討を行う
  1. 最も適切と考えられる暫定的診断(working diagnosis)のもとに検査・治療を進め、経時的観察などの過程を経たうえで、診断することも重要である。特に、強直性脊椎炎では発症から診断まで数年を要することが国内外において知られ、診断に時間を要することも多い
  1. 臨床徴候を再確認し、薬剤の有効性を評価して、診断の検証・再検討が必要である
○ 強直性脊椎炎と診断された場合、ASDAS(<図表>)に従い活動性の評価を行う。

薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
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