前立腺肥大症 :トップ    
監修: 堀江重郎 順天堂大学大学院医学研究科 泌尿器外科学
久末伸一 千葉西総合病院 泌尿器科

概要

疾患のポイント:
  1. 前立腺肥大症とは、「前立腺の良性過形成による下部尿路機能障害を呈する疾患で、通常は前立腺腫大と下部尿路閉塞を示唆する下部尿路症状を伴う」と定義される疾患概念である。
  1. 前立腺肥大症は、中高齢男性にみられる進行性の疾患である。有病率は、IPSS>7、 前立腺体積>20ml、最大尿流量<10ml/秒のすべてを満たすことを条件とすると、60歳代で6%、70歳代で12%とされる。
  1. 臨床的進行の危険因子としては、加齢、前立腺腫大、PSA高値、下部尿路症状、QOL障害、尿流量低下などがある。ただし、致死的な合併症はまれである。
 
診断: >詳細情報 
  1. 前立腺肥大症を想定した場合に必ず行うべき評価としては、病歴聴取、症状・QOL評価(CLSS<図表>、IPSS<図表>、OABSS<図表>)、身体所見、尿検査、尿流測定、残尿測定、血清PSA測定、前立腺超音波検査がある。症例を選択して行う評価としては、排尿記録、尿流動態検査、血清クレアチニン測定、上部尿路超音波検査などがある。
  1. 臨床的な前立腺肥大症は前立腺腫大(benign prostatic enlargement、BPE)、下部尿路症状、前立腺性下部尿路閉塞の3つの要素により構成されている。
  1. 有病率は、IPSS>7、前立腺体積>20ml、最大尿流量<10ml/秒
 
治療: >詳細情報 
  1. 患者が治療を希望するか、または治療が必要な場合は、まず生活指導やα遮断薬などの内服治療を考慮する。
  1. 初期の内服治療はα遮断薬(ハルナールなど)かPDE5阻害薬を考慮する。 エビデンス 
  1. 前立腺腫大が明らかな場合(30ml以上を目安)は5α還元酵素阻害薬(アボルブなど)の使用・併用を考慮する。 

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

治療薬例
  1. 患者が治療を希望するか、または治療が必要な場合は、まず生活指導やα遮断薬などの内服治療を考慮する。
  1. 初期の内服治療はα遮断薬(ハルナールなど)を基本とする。 エビデンス 
  1. 前立腺腫大が明らかな場合(30ml以上を目安)は5α還元酵素阻害薬(アボルブなど)の使用・併用を考慮する。 エビデンス 
  1. 過活動膀胱症状が明らかな場合(OABSS6点以上を目安)は抗コリン薬の併用を考慮する( 過活動膀胱 の治療参照)。
○ 初期治療として1)を用いる。前立腺が30ml以上を求める場合は2)の使用、併用を考慮する。OABSS6点以上では抗コリン薬の併用を考慮する。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
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(詳細はこちらを参照)

前立腺肥大症診療のアルゴリズム(一般医向け)
前立腺肥大症診療のアルゴリズム(専門医向け)
過活動膀胱症状質問票(OABSS)
著者校正/監修レビュー済
2018/08/23

改訂のポイント
  1. 「日本泌尿器科学会:男性下部尿路症状・前立腺肥大症診療ガイドライン2017」に基づき、診療アルゴリズムの改定を行った。
  1. 「日本老年医学会:高齢者の安全な薬物療法ガイドライン2015」に基づき、薬物療法の記述を修正した。


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