精巣上体炎、精巣炎 :トップ    
監修: 中川昌之 鹿児島大学
福原秀雄 井上啓史 高知大学 泌尿器科

概要

疾患のポイント:
  1. 精巣上体炎とは、精巣上体の急性炎症で、原因微生物である一般細菌・クラミジア・淋菌などが尿道から精管に逆行性に到達して起こる疾患である。
  1. 急性陰嚢症の1つであり陰嚢内容の有痛性腫脹と陰嚢皮膚の発赤・熱感を認め、精巣挙筋反射が陽性を示す。また、排尿痛・頻尿などの下部尿路症状を伴うことが多い。
  1. 感染であるため、発熱を有することは大事な鑑別点となる。
 
診断:アルゴリズム >詳細情報 
  1. 症状・尿所見・採血による炎症反応を認める。通常、尿所見は、膿尿・細菌尿を認めることが多い。また、クラミジア性精巣上体炎では、初尿あるいは尿道擦過検体よりクラミジアが証明される。
  1. また精巣捻転との鑑別は非常に大切である。精巣上体炎は精巣上体に限局する腫脹とカラードプラーによる血流正常もしくは増加を認める。精巣捻転であれば精巣腫大はなく、血流低下もしくは無血流を示すため重要な鑑別点となる。
  1. 急性陰嚢症の鑑別1:<図表>
 
治療: >詳細情報 
  1. 治療は、基本的には手術療法とならず、セフォチアム(パンスポリン)、セフトリアキソン(ロセフィン)、セフォゾプラン(ファーストシン)、レボフロキサシン(クラビット)などの抗菌薬・解熱鎮痛薬による保存的治療がメインとなる。
  1. 一般細菌に対する抗菌薬では反応に乏しく、炎症反応の改善を認めない場合は結核によるものを疑う。
 
専門医相談のタイミング: >詳細情報 
  1. 左方移動を伴う白血球増多、CRP上昇を認め、炎症反応が強い場合は専門医を受診する。 解説 
 
床のポイント:
  1. 本疾患は陰…

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

初診時の検査
  1. 採血により感染の有無を確認する。
  1. 精巣捻転との鑑別のためにカラードプラーにより血流の有無を確認する。
○ 陰嚢腫大の程度や、採血により炎症反応の程度を確認する。

追加情報ページへのリンク

薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

精巣上体炎の鑑別フローチャート
著者校正/監修レビュー済
2018/02/28

改訂のポイント:
  1. 性感染症診断治療ガイドライン2016
  1. JAID/JSC感染症治療ガイドライン2015 尿路感染症男性性器感染症
に基づき確認を行った(変更点なし)。