今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 小椋雅夫 国立成育医療研究センター 腎臓・リウマチ・膠原病科

監修: 五十嵐隆 国立成育医療研究センター

著者校正/監修レビュー済:2024/10/16
参考ガイドライン:
  1. 日本泌尿器科学会:急性陰嚢症診療ガイドライン 2014年版
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 定期レビューを行い、概要・推奨について加筆を行った。

概要・推奨   

  1. 男児で夜間に急性発症した下腹部痛の原因疾患として常に鑑別にあげる(推奨度1 J)
  1. 診断には超音波検査(カラードップラー)による精巣内血流の有無の評価が有用である(推奨度2 J)
  1. MRIや核医学検査は時間がかかるため推奨されない(推奨度2 J)
アカウントをお持ちの方はログイン
  1. 閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が 必要と
  1. 閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要とな ります

病態・疫学・診察 

疾患情報(疫学・病態)  
  1. 急性陰嚢症は陰嚢領域に有痛性腫脹を来す疾患群の総称である。
  1. 精巣捻転は、精巣が精索を軸としてねじれて血管が締め付けられるため、精巣が壊死をしてしまう病気である。対応が遅れると不可逆的な変化を来すため、急性陰嚢症のなかで決して見過ごしてはならない疾患である。
  1. 精巣捻転は、新生児期と11~18歳での発症が多く(機序は異なる)、思春期以降に多い鞘膜内捻転は精巣の固定が不十分なために起こる。
  1. 精巣捻転の4~8%に外傷が先行することがある。
  1. 左精巣捻転が右より2倍多い。左精索が長いためといわれている。
  1. 精巣が温存できるかは、阻血時間により決定される。程度にもよるが、通常は4~6時間がgolden timeとされ、これ以上虚血が続くと精巣は壊死する。12時間以内で70%は温存可能といわれる。
  1. 発症から24時間以上経過している場合、回復は望めない。壊死した精巣は抗原となり抗精子抗体が形成され、健側の精子形成を妨げる可能性がある。そのため、緊急手術でなくともよいが、壊死した精巣は摘出すべきである。
 
精索軸捻転により壊死した精巣

変色した精巣を認める。

出典

Kliegman RM, et al.: Nelson Textbook of Pediatrics, 19thed. Saunders, 2001.
問診・診察のポイント  
  1. 思春期前後の青少年で、夜間睡眠時に急性発症することが多い。

これより先の閲覧には個人契約のトライアルまたはお申込みが必要です。

最新のエビデンスに基づいた二次文献データベース「今日の臨床サポート」。
常時アップデートされており、最新のエビデンスを各分野のエキスパートが豊富な図表や処方・検査例を交えて分かりやすく解説。日常臨床で遭遇するほぼ全ての症状・疾患から薬剤・検査情報まで瞬時に検索可能です。

まずは15日間無料トライアル
本サイトの知的財産権は全てエルゼビアまたはコンテンツのライセンサーに帰属します。私的利用及び別途規定されている場合を除き、本サイトの利用はいかなる許諾を与えるものでもありません。 本サイト、そのコンテンツ、製品およびサービスのご利用は、お客様ご自身の責任において行ってください。本サイトの利用に基づくいかなる損害についても、エルゼビアは一切の責任及び賠償義務を負いません。 また、本サイトの利用を以て、本サイト利用者は、本サイトの利用に基づき第三者に生じるいかなる損害についても、エルゼビアを免責することに合意したことになります。  本サイトを利用される医学・医療提供者は、独自の臨床的判断を行使するべきです。本サイト利用者の判断においてリスクを正当なものとして受け入れる用意がない限り、コンテンツにおいて提案されている検査または処置がなされるべきではありません。 医学の急速な進歩に鑑み、エルゼビアは、本サイト利用者が診断方法および投与量について、独自に検証を行うことを推奨いたします。
薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光および日本医科大学多摩永山病院 副薬剤部長 林太祐による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、 著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※同効薬・小児・妊娠および授乳中の注意事項等は、海外の情報も掲載しており、日本の医療事情に適応しない場合があります。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適応の査定において保険適応及び保険適応外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適応の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
小椋雅夫 : 特に申告事項無し[2024年]
監修:五十嵐隆 : 特に申告事項無し[2024年]

ページ上部に戻る

精巣捻転(小児科)

戻る