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乳房肉腫・葉状腫瘍

著者: 明石定子 昭和大学 乳腺外科

監修: 中村清吾 昭和大学医学部外科学講座乳腺外科学部門

著者校正/監修レビュー済:2019/03/14

概要・推奨  

疾患のポイント(乳房葉状腫瘍・肉腫):
  1. 悪性の間葉系成分の増殖を有する腫瘍のうち、上皮成分の存在するものが悪性葉状腫瘍で、上皮成分の存在しない悪性の間葉成分のみで構成される腫瘍を肉腫という。ただし葉状腫瘍の上皮成分は腫瘍性ではなく、反応性の増殖である。
 
葉状腫瘍:
  1. 疾患のポイント:
  1. 葉状腫瘍は、あらゆる年齢で発生するが、30~50歳代で好発する。急速増大する境界明瞭な乳腺腫瘍である。線維性間質の増生の優位な線維上皮性腫瘍である。
  1. 葉状腫瘍の発生頻度は全乳腺腫瘍中0.3~0.9%と報告され、そのうち悪性葉状腫瘍に分類されるものはさらにその16~30%と非常にまれである。
  1. 葉状腫瘍は間質細胞の異型性(細胞密度、核分裂像、核異型度)により、病理学的に良性、境界悪性、悪性の3つに分類される。同一腫瘍内に、細胞密度など3つの成分のいずれかが悪性の所見を呈するものを境界葉状腫瘍と定義する。
  1. 診断: >詳細情報 
  1. マンモグラフィ、乳房超音波、胸部造影CTにて診断を行う。
  1. 特に乳腺超音波では類円形、境界明瞭な低エコー腫瘍である。hypervascularで後方エコーの増強をみることが多い。
  1. MRIではT1強調high、T2 low~iso、低ADC (apparent diffusion coefficient)を呈する。早期に濃染され、wash out patternの悪性パターンを呈する。<図表>
  1. 最終診断は組織学的な診断が必要である。
  1. 予後評価: >詳細情報  
  1. 局所再発率は良性、境界悪性、悪性葉状腫瘍で平均観察期間5年において、15、17、28%と次に述べる遠隔再発ほどの差はないとされる。2015年以降の報告をまとめるとそれぞれ5%、13.1%、18%の局所再発率で、全体として約10%低下している。
  1. 遠隔転移はまれだが、その中では肺転移が多い。遠隔転移の頻度は良性ではほぼ皆無、境界悪性でも稀、悪性葉状腫瘍で25%である。再発転移後の予後はきわめて不良である。
  1. Stagingは、American Joint Committee on Can…
検査・処方例
※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

乳腺腫瘤を認めたとき、必ず必要とされる検査
  1. 乳腺専門施設でない場合、良悪性の鑑別を要する腫瘍を認めた場合、細胞診を自施設で施行してもよい。その際、確実に細胞を採取できるよう留意すべきである。画像上悪性の可能性が高い場合は、画像の段階で専門施設に送ってしまうのも選択肢の1つである。
○ 3)で診断を確定後完全切除が基本となる。

薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

改訂のポイント:
  1. 乳癌診療ガイドライン 1治療編 2018年版
  1. 乳癌診療ガイドライン 2疫学・診断編 2018年版
を基づき改訂を行った。


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すべての医療従事者の皆様に敬意を表します。
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