蜂窩織炎 :トップ    
監修: 細川直登 亀田総合病院
曾木美佐 東北大学病院 総合感染症科

概要

疾患のポイント:
  1. 蜂窩織炎とは、真皮から皮下脂肪組織にかけての細菌感染症である。皮膚軟部組織感染のなかでも頻度が高い。
  1. 蜂窩織炎に特異的な血液検査や画像検査はなく、基本的には皮膚所見で臨床的に診断される。
  1. 皮膚の発赤、腫脹、熱感、疼痛、発赤部位に一致した圧痛を認め、リンパ管炎を伴うこともある。

診断: >詳細情報 
  1. 蜂窩織炎は、基本的には臨床的に診断される。比較的急性(2~3日)の経過で皮膚の発赤、熱感、疼痛が出現し、発熱や悪寒戦慄を伴うこともある。
  1. 蜂窩織炎の特徴的症例:<図表>
  1. 境界明瞭な皮膚の発赤と腫脹を認める場合は丹毒を疑う。
  1. 致死的な壊死性筋膜炎を必ず鑑別する。壊死性筋膜炎は急速進行性であり、外観以上の疼痛と皮膚発赤を越える範囲の疼痛を認め、ショックバイタルなど全身症状も非常に重症なことが多い。
 
重症度・予後: >詳細情報 
  1. リスクのない患者ではほぼ100%治癒する。しかし糖尿病や免疫不全といった基礎疾患がある場合は重症化することもあるため、入院を考慮する。
 
治療: >詳細情報 
  1. ポイント:
  1. 蜂窩織炎の2大起炎菌は黄色ブドウ球菌とβ溶連菌である。これらをカバーする抗菌薬を選択する。
  1. 蜂窩織炎の治療アルゴリズム:アルゴリズム
  1. 抗菌薬の選択:
  1. β溶連菌はほぼ100%ペニシリン感受性であるが、黄色ブドウ球菌の多くはβラクタマーゼを産生するため、ペニシリン/βラクタマーゼ阻害薬であるアモキシシリン/クラブラン酸配合(オーグメンチン)または第1世代セフェム抗菌薬である、セファレキシン(ケフレックス)を処方する。市中MRSAが多い地域では、化膿性蜂窩織炎(膿性滲出液を伴う蜂窩織炎)の患者の初期治療でMRSAをカバーするST合剤(バクタ)、テトラサイクリン(ミノマイシン、ビブラマイシン)、クリンダマイシン(ダラシン)、リネゾリド(ザイボックス)などの抗菌薬の投与を考慮する。
  1. 点滴による加療:

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

治療例
  1. 起炎菌はβ溶連菌と黄色ブドウ球菌が大部分を占める。通常、血液培養や局所の培養による起炎菌同定は困難であるため、これら2菌種をカバーする抗菌薬をエンピリカルに投与する。薬剤選択の詳細は詳細情報の「治療の項: >詳細情報 」を参考にしてほしい。
○ アレルギーなど禁忌がなければ、下記の処方を考慮する。治療する場合は1)を第1選択薬とする。ペニシリンアレルギーであるが軽度の皮疹程度であれば、2)を考慮する。βラクタムアレルギーや重症なペニシリンアレルギーが明らかな場合、または市中MRSAの多い地域では4)~7)を考慮する。重症例では入院のうえ、8)を用いる。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

蜂窩織炎の治療アルゴリズム
蜂窩織炎の特徴的症例
著者校正済:2017/01/20
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