心的外傷後ストレス障害・急性ストレス障害 :トップ    
監修: 上島国利 昭和大学
飛鳥井望 公益財団法人東京都医学総合研究所

概要

疾患のポイント:
  1. 心的外傷後ストレス障害(PTSD)とは、生命や身体に脅威を及ぼし、強い恐怖感や無力感を伴い、精神的衝撃を与える心的外傷(トラウマ)体験を原因として生じる特徴的なストレス症状群である。
  1. 外傷的出来事には、災害、重度事故、暴行、性暴力、虐待、戦闘、テロなどがある。わが国での救命救急センターに入院した重症交通外傷患者100例の調査結果では、多くの者が何らかの程度のストレス反応を生じていたが、急性ストレス障害の発症率は9.0%、6カ月後のPTSD発症率は8.5%であった。
  1. 症状は、「侵入症状」「回避症状」「認知と気分の陰性の変化」「覚醒度と反応性の著しい変化」の4症状が揃って出現し、1カ月以上持続する。(米国精神医学会診断基準DSM-5による)
  1. 外傷的出来事の種類によるPTSDの生涯有病率:<図表>
 
診断: >詳細情報 
  1. PTSDが疑われた場合、以下を確認する。
  1. 外傷的出来事の客観的深刻さ:
  1. PTSDの原因として見合うほどの深刻な出来事か否かを客観的に評価する。患者は大袈裟に表現することもあれば、言葉少なにしか説明しないこともある。
  1. 症状による具体的な生活上の支障:
  1. 心的外傷体験と直接関連した症状が、具体的にどのような生活支障をもたらしているかを評価する。
  1. 出来事のフラッシュバックの有無だけでなく、それに伴う自律神経反応(動悸や冷や汗)および心理的苦痛の影響(例:その間は仕事が手につかないなど)を確認する。
  1. 回避症状では、それによる具体的な生活上の不自由(例:車に乗れない、男性を避ける、刃物を手に取れないなど)を確認する。
  1. 外傷的出来事発生からの期間:
  1. 発生から2週間以内は、サイコロジカル・ファーストエイドとしての対応を行う。 解説 
  1. 発生から1カ月以内の場合は急性ストレス障害あるいは急性ストレス反応と診断する。
 
重症度・予後: …

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

自記式質問紙による簡便な症状アセスメント
  1. PTSD関連症状の簡便な自記式質問紙を施行することで、診断の助けとできる。
  1. ただし、あくまでもスクリーニング目的であり、診断を確定するものではない。
○ 改訂出来事インパクト尺度(IES-R)を施行する。症状の把握と変化に役立つ。

追加情報ページへのリンク

  • 心的外傷後ストレス障害・急性ストレス障害に関する詳細情報
  • 心的外傷後ストレス障害・急性ストレス障害に関する評価・治療例(詳細) (1件)
  • 心的外傷後ストレス障害・急性ストレス障害に関するエビデンス・解説 (7件)
  • 心的外傷後ストレス障害・急性ストレス障害に関する画像 (5件)
薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

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外傷的出来事の種類によるPTSDの生涯有病率
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著者校正/監修レビュー済
2016/08/19