腹部大動脈瘤 :トップ    
監修: 桑島 巌 NPO法人 臨床研究適正評価教育機構
中澤 達 東京都健康長寿医療センター 血管外科

概要

疾患のポイント:
  1. 腹部大動脈瘤とは、腹部大動脈壁の一部が全周性または局所性に拡大(正常の動脈径の1.5倍)した状態をいう。
  1. 破裂の前駆症状である腹痛、腰痛以外に主な症状はなく、まれに腹部拍動性腫瘤を偶然触れる程度である。
  1. Lederleらの2000年の論文では、50~79歳の退役軍人7万3,451人をスクリーニングした結果、半径4cm以上の大動脈瘤は1.2%に認められている。腹部大動脈瘤(AAA)の触診による感度(半径5cm以上のAAAにて75%)はそれほど高くなく、診察所見で陰性でもAAAは除外できず、リスクファクターを認める場合は評価を行う。
 
診断: >詳細情報 
  1. 高血圧や脂質異常症など血管病のハイリスク患者では、1年に1回程度、腹部触診をする。拍動性腫瘤を触れたら、超音波検査で腹部大動脈瘤腹部エコーやCTにて評価を行うというのが理想である。 エビデンス 
  1. 特に、腹部の拍動性腫瘤を認めた場合、もしくは50歳以上の男性で、喫煙、高血圧、高脂血症などの動脈硬化のリスクを複数持つ患者でスクリーニングの 腹部エコーやCTを行う。 エビデンス 
  1. 成人の腹部大動脈は通常、直径約2cmであるため、エコー画像、CT画像にて、径3cm以上となったとき一般的には腹部大動脈瘤の診断となる。
  1. 腹部大動脈瘤の診断:アルゴリズム
  1. 腹部大動脈瘤のエコー画像:<図表>
  1. 腹部大動脈瘤のCT画像:<図表>
 
腹部大動脈瘤の種類と原因: …

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

初診時の検査例
  1. 腹部大動脈瘤は血管病のリスクを持っている患者が多いので、その治療をしつつ定期的にフォローアップとして瘤のサイズを測定する。
○ 外科医との連携を密接にする。

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※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
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(詳細はこちらを参照)

腹部大動脈瘤の診断
腹部大動脈瘤のエコー画像
腹部大動脈瘤のエコー画像
腹部大動脈瘤のCT画像
著者校正/監修レビュー済
2016/11/30

編集部編集コンテンツ:
 
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  1. 事例:腹部大動脈瘤に対してステントグラフト内挿術施行。肋間動脈より分岐している主要脊椎動脈が先天的に腰動脈より分岐しており,ステント挿入に伴い,その腰動脈が閉塞したことにより脊髄虚血をきたし、対麻痺を来たした。(詳細情報ページ:医療事故情報 詳細表示


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