眼科救急疾患 :トップ    
監修: 沖波聡 倉敷中央病院眼科
山川良治 久留米大学 医学科眼科学講座

概要

眼科緊急疾患のまとめ:
  1. 眼科の疾患は、通常緊急対応を必要としないことが多いが、一部に、対応の遅れが恒久的な視機能障害を残す緊急疾患が存在し注意が必要である。わが国の救急外来では、休日や夜間に眼科医が常駐する病院は少なく、緊急の対応を要するかどうかの判断が必要となることが多い。
 
眼科緊急症状・疾患の一覧と治療までの適正な時間:
  1. 症状に関しては、 視力低下 をすでに来している場合は、緊急性が高い。また、充血のうち、大量の眼脂、眼痛、視野障害、毛様充血を認める場合は緊急対応が必要である。視野障害、霧視、眼痛・羞明(強い光を受けた際に、不快感や眼の痛みなどを生じること)など後眼部疾患を疑った場合は、肉眼的には正常にみえるため、散瞳による眼底検査を必要とする。動眼神経障害も急性発症の場合には緊急対応が必要となる。
  1. 以下が眼科緊急疾患の一覧と治療までの適切な時間の目安である。
  1. 数分以内の治療が必要な疾患:
  1. 角膜の化学的外傷(特にアルカリによるもの)、網膜中心動脈閉塞症
  1. 1~数時間以内に治療が必要な疾患:
  1. 急性閉塞隅角緑内障、瞳孔ブロック緑内障、開放性眼外傷、角膜異物、角膜擦過傷、重症の眼瞼裂傷、デスメ膜瘤、前房出血、急性硝子体出血、網膜硝子体出血を伴う急性網膜裂孔形成、黄斑部に及ぶ急性裂孔原性網膜剥離、細菌性眼内炎、眼窩蜂巣炎、細菌性角膜炎、淋菌性結膜炎、海綿静脈洞血栓症、虚血性視神経症、外傷性視神経症(視神経管骨折)、急性前部ぶどう膜炎
  1. 瞳孔ブロック緑内障:房水の通り道にある水晶体と虹彩が接触し房水の流れが止まり眼圧が急激に上昇して、急性緑内障となった状態である。
  1. デスメ膜瘤:角膜の創傷または深い潰瘍などによって生じるデスメ膜(角膜を構成する膜の1つ)のヘルニア状態である。
  1. 数日以内の治療が必要な状態:
  1. 視神経炎、陳旧性網膜剥離、眼窩底骨折、急性眼球突出、眼窩内異物など
 
緊急の対応が必要ない状態:
  1. 以下の場合には通常緊急の対応は必要ない。

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

電気性眼炎の評価・治療例
  1. 冬山登山、スキー場などでのサングラス使用の有無、溶接作業(溶接アーク)や紫外線曝露(殺菌灯、水銀灯、ハロゲン机上灯)の作業場での保護メガネ使用の有無を問診する。 >詳細情報 
  1. 治療は、角膜保護と感染予防である。
○ 1)、2)の検査の後、3)か4)と5)を第1選択薬とする。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

眼科緊急疾患のフローチャート
アルカリ外傷
網膜動脈閉塞症
鈍的外傷
著者校正/監修レビュー済
2016/02/04


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