今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 妹尾 正 獨協医科大学 眼科学教室

監修: 沖波聡 倉敷中央病院眼科

著者校正/監修レビュー済:2022/10/26
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1.  定期レビューを行い、外傷マネージメントについて図表を追加した。

概要・推奨   

  1. 入院を必要とした眼外傷動機別頻度では労働災害、スポーツ、交通外傷、暴力等で45~65%を占め、治癒後も書類提出等を請求されることが多く、できる限り克明に記載する(推奨度1)
  1. スポーツ眼外傷の頻度は上昇しているが、受傷時のスポーツの種類である程度のトリアージを想定できる(推奨度1)
  1. 鈍的外傷時、以前に眼科的手術を受けていると術創が弱く開放する原因となる。問診時、眼科手術の既往を確認することは、重要である(推奨度2)
アカウントをお持ちの方はログイン
  1. 閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要と

まとめ 

眼外傷のまとめ  
  1. 眼外傷は大きく閉鎖性外傷と開放性外傷に分類される。閉鎖性外傷は、打撲、層状裂傷に分けられ、開放性外傷は、眼球破裂と強角膜裂傷、さらに強角膜裂傷は穿孔性外傷、眼内異物、貫通性眼外傷に分けられる。
 
眼外傷の分類

出典

Ferenc Kuhn, Richard Maisiak, LoRetta Mann, Viktória Mester, Robert Morris, C Douglas Witherspoon
The Ocular Trauma Score (OTS).
Ophthalmol Clin North Am. 2002 Jun;15(2):163-5, vi.
Abstract/Text Only based on a standardized terminology of ocular trauma terms, and using a very large number of injuries treated by a wide variety of ophthalmologists, could a reliable method be developed so that the functional outcome of a serious eye injury can be predicted with reasonable certainty. The authors used the databases of the United States and Hungarian Eye Injury Registries and, with a grant from the National Center for Injury Prevention at the Centers for Disease Control and Prevention, designed such a system.

PMID 12229231
 
  1. 眼外傷は機械的外傷(鈍的、鋭的)、腐蝕、火傷(熱傷、光線障害、放射線障害)、眼窩骨折など多彩で、その程度や病態を速やかに判断し処置や眼科専門医への紹介を決めるべきである。
  1. 眼外傷の緊急性は問診である程度把握でき、特に緊急入院、緊急手術の必要性を考えながら診察し判断する。
  1. 入院や緊急性の高い病態では、眼科専門医紹介までの1次処置を速やかに判断し行う。
  1. 最も緊急性があり、1次処置が重要な眼外傷は化学腐蝕で特にアルカリ腐蝕は、速やかに大量の生理食塩液で洗眼し眼科専門医に送る。
 
角膜アルカリ腐蝕

漂白剤によるアルカリ腐蝕。角膜(特に左側)の混濁と浮腫を認める。

出典

著者提供
 
  1. 眼内異物は安易に除去するとかえって状況を悪化させるので注意を要する。必要に応じてCT、単純X線撮影を施行し異物を確認したうえで眼科専門医へ紹介する。
 
眼内鉄片異物

釘打ち作業中の前房内異物飛入。異物は前房から虹彩を突き通し水晶体内で止まっている。異物左側が角膜刺入創。

出典

著者提供
 
  1. スポーツ眼外傷の頻度は上昇しているが、受傷時のスポーツの種類である程度のトリアージを想定できる(推奨度1M)
  1. まとめ:全眼外傷に占めるスポーツ眼外傷の頻度は、労働災害、交通外傷が減少した分上昇しており最近の報告では23.9%[1]と上昇している。眼外傷の多いスポーツとしては野球、サッカー、テニスで、50%以上を占める[2]。原因をみてもわかる通り、受傷の70~80%はボールによるものが多い[3]。ボールによる眼外傷は眼窩開口部(直径約4cm)より小さいボール(バドミントンシャトル・ゴルフボール等)では直接的な眼外傷を想定すべきである。開口部より大きなボール(サッカーボール・ドッジボール)などでは介達力による障害も考慮することが重要である[4]
問診・診察のポイント  
 
 
 
 
 
 
  1. カルテの記載には、受傷の原因(自傷、他傷、交通外傷、労働災害等)、日時に加えて、専門設備がなくとも、おおよその視力、眼瞼、前眼部(角膜、結膜、瞳孔等)、対光反応(swing flashlight test)の所見を記載しておく。

これより先の閲覧には個人契約のトライアルまたはお申込みが必要です。

最新のエビデンスに基づいた二次文献データベース「今日の臨床サポート」。
常時アップデートされており、最新のエビデンスを各分野のエキスパートが豊富な図表や処方・検査例を交えて分かりやすく解説。日常臨床で遭遇するほぼ全ての症状・疾患から薬剤・検査情報まで瞬時に検索可能です。

まずは15日間無料トライアル
本サイトの知的財産権は全てエルゼビアまたはコンテンツのライセンサーに帰属します。私的利用及び別途規定されている場合を除き、本サイトの利用はいかなる許諾を与えるものでもありません。 本サイト、そのコンテンツ、製品およびサービスのご利用は、お客様ご自身の責任において行ってください。本サイトの利用に基づくいかなる損害についても、エルゼビアは一切の責任及び賠償義務を負いません。 また、本サイトの利用を以て、本サイト利用者は、本サイトの利用に基づき第三者に生じるいかなる損害についても、エルゼビアを免責することに合意したことになります。  本サイトを利用される医学・医療提供者は、独自の臨床的判断を行使するべきです。本サイト利用者の判断においてリスクを正当なものとして受け入れる用意がない限り、コンテンツにおいて提案されている検査または処置がなされるべきではありません。 医学の急速な進歩に鑑み、エルゼビアは、本サイト利用者が診断方法および投与量について、独自に検証を行うことを推奨いたします。
薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光および日本医科大学多摩永山病院 副薬剤部長 林太祐による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、 著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※同効薬・小児・妊娠および授乳中の注意事項等は、海外の情報も掲載しており、日本の医療事情に適応しない場合があります。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適応の査定において保険適応及び保険適応外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適応の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
妹尾 正 : 未申告[2024年]
監修:沖波聡 : 特に申告事項無し[2024年]

ページ上部に戻る

眼外傷

戻る