強膜炎 :トップ    
監修: 沖波聡 倉敷中央病院眼科
北市伸義 有賀俊英 北海道医療大学個体差医療科学センター眼科学系

概要

疾患のポイント:
  1. 強膜炎とは、上強膜・前部強膜・後部強膜の炎症により充血、疼痛などの症状を来す疾患である。一般に前部の上強膜炎・強膜炎と後部強膜炎に大別されるが、通常、単に強膜炎という場合は前部強膜炎のことを指す。
  1. 明確な診断基準は存在しないが、上強膜炎は角膜輪部付近に限局して結膜充血と上強膜充血がみられる。上強膜炎と強膜炎の鑑別には、1,000倍希釈エピネフリン点眼試験が有用であり、点眼後充血がとれれば上強膜炎である。
  1. 強膜炎(前部強膜炎)は深部強膜の炎症であり、上強膜炎より深部の血管が充血する。びまん性、結節性、壊死性の3種に大別される。

強膜炎の鑑別状態: >詳細情報 
  1. 鑑別疾患としては、球結膜充血を来す各種結膜炎、ぶどう膜炎(眼内炎を含む)、結膜フリクテンなどが挙げられる。
  1. 瞼結膜に充血を示す所見が結膜炎( 感染性結膜炎 、 非感染性結膜炎 )との鑑別には有用である(強膜炎では瞼結膜の充血は来さない)。
  1. 後部強膜炎を除く上強膜炎、強膜炎では後眼部の炎症は来さないところが、ぶどう膜炎との鑑別に有用である。
  1. 結膜フリクテンでは、炎症部に一致してフルオレセインの染色がみられることが特徴であり、結節性強膜炎との鑑別に同所見が役立つ。
 
上強膜炎:
  1. 診断:
  1. フローチャートに沿って診断する。( アルゴリズム
  1. 予後:
  1. 点眼薬で軽快することが多く、予後は良好である。自然寛解することもある。
  1. 治療:
  1. 非ステロイド抗炎症薬やステロイド薬の点眼が治療の主体となる。
 
強膜炎:
  1. 診断:
  1. フローチャートに沿って診断する。( アルゴリズム
  1. 予後:(強膜炎の病型分類チャート:

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

初診時の検査オーダー例
  1. 上強膜炎か強膜炎であれば、びまん性か、結節性か壊死性かの鑑別をし、治療戦略を立てる。後部強膜炎では諸検査から疾患を推定し鑑別する。
  1. 後部強膜炎を疑う場合は、眼底検査、Bモードエコー、フルオレセイン蛍光眼底造影検査、CT/MRIも行う。
○ 上強膜炎、強膜炎の場合1)2)3)を行う。
○ 視力低下や強い前房炎症を認める場合、他疾患との鑑別のため4)5)を行う。
○ 後部強膜炎を疑う場合は1)~8)を行う。
○ 後部強膜炎において、VKH(原田病)との鑑別が困難な場合は10)を行う。

追加情報ページへのリンク

  • 強膜炎に関する詳細情報
  • 強膜炎に関する評価・治療例(詳細) (1件)
  • 強膜炎に関する画像 (6件)
薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

上強膜炎・強膜炎の診断フローチャート
強膜炎の病型分類チャート
びまん性強膜炎
壊死性強膜炎
結節性強膜炎
後部強膜炎
著者校正/監修レビュー済
2016/04/01