今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 狩野俊和 国立国際医療研究センター国府台病院 リウマチ膠原病科

監修: 金子礼志 国立国際医療研究センター 膠原病科

著者校正済:2022/09/14
現在監修レビュー中
参考ガイドライン:
  1. 日本リウマチ学会:関節リウマチ診療ガイドライン2020(2021年4月26日)
  1. 日本リウマチ学会関節リウマチ診療ガイドラインJCR2014に基づく一般医向け診療ガイドライン(2017年7月10日)
  1. 日本リウマチ学会:リウマチ診療のための関節エコー撮像法ガイドライン
  1. 日本リウマチ学会関節リウマチ(RA)に対するTNF阻害薬使用の手引き(2020年2月1日改訂版)
  1. 日本リウマチ学会関節リウマチ(RA)に対するIL-6阻害薬使用の手引き(2020年2月1日改訂版)
  1. 日本リウマチ学会関節リウマチ(RA)に対するアバタセプト使用の手引き(2020年2月1日改訂版)
  1. 日本リウマチ学会関節リウマチに対するデノスマブ使用の手引き
  1. 日本リウマチ学会:全例市販後調査のためのフィルゴチニブ使用ガイド(2020年12月4日)
  1. 日本リウマチ学会:全例市販後調査のためのウパダシチニブ適正使用ガイド(2020年6月14日)
  1. 日本リウマチ学会全例市販後調査のためのトファシチニブ適正使用ガイド(2020年2月1日改訂版)
  1. 日本リウマチ学会全例市販後調査のためのバリシチニブ適正使用ガイド(2020年2月1日改訂版)
  1. 日本リウマチ学会全例市販後調査のためのペフィシチニブ適正使用ガイド(2020年2月1日)
  1. 日本骨代謝学会ステロイド性骨粗鬆症の管理と治療ガイドライン2014年改訂版
  1. 日本リウマチ学会関節リウマチ治療におけるメトトレキサート(MTX)診療ガイドライン2016年改訂版
  1. 日本骨粗鬆症学会骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2015年版
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 関節リウマチ診療ガイドライン2020に基づいて記載を変更した。新薬については日本リウマチ学会ホームページのガイドラインに記載されている適正使用ガイドをもとに記載した。

概要・推奨   

  1. 関節リウマチは早期に十分な治療を開始できると寛解導入が容易である。そのために診断は迅速に行い、速やかに適切な治療を開始することが重要である(推奨度1)
  1. 必ずしも容易ではない早期関節炎の診断と治療方針の決定や、生物学的製剤を含む専門的知識を要する薬物治療、合併病態を有する患者の治療、関節リウマチに起因する関節手術などは主としてリウマチ専門医が行うべき医療である薬物治療が奏して安定的な経過をたどっている患者の日常診療や、基本的な薬剤の投与、非薬物治療などは一般医に推奨できる医療である(推奨度2)
  1. 1つ以上の関節炎を持つ患者で、他の疾患を除外でき、2010ACR/EULAR分類基準を満たせば関節リウマチと判断して治療を開始することは推奨されるが、専門家の意見も加味して慎重に判断する必要がある(推奨度1)
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  1. リウマトイド因子は感度・特異度ともに高くない。分類基準に該当する項目であるので測定する意義はあるが、陽性の場合でも他疾患の鑑別を幅広く考える必要がある(推奨度1)
  1. 関節炎患者に抗CCP抗体測定は特にリウマトイド因子陰性の場合に推奨される(推奨度2)
  1. MRIはX線で検出できない軽度の骨びらん、骨髄浮腫、滑膜肥厚の検出には有用であるため、リウマチが疑われる患者で単純X線上の変化が認められないときには考慮してよい(推奨度3)
  1. リウマチ診療は最善のケアを目指すものであり、患者とリウマチ専門医の共同作業であるため、患者自身が病気を知ることは重要である(推奨度1)
  1. リウマチの関節痛に対して非選択性非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)は臨床症状改善には有効であり、疾患活動性がコントロールされるまで、または関節破壊に伴う痛みに対しては有用である。ただし、長期の関節破壊抑制効果は乏しい(推奨度2)
  1. 疾患活動性を有する早期リウマチ患者に、抗リウマチ薬に併用して、副腎皮質ステロイドを必要最小量(プレドニゾロン10mg以下)、短期間(数月以内)投与行ってよい。再燃時に使用する場合も同様である(推奨度2)
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  1. MTXは6~8mg/週から開始し、開始後4週間経過しても効果が不十分な場合は増量する。なお、16mg/週まで漸増することにより用量依存的に効果が増加することが期待できるため、忍容性に注意を払いつつ有効量まで増量することが推奨される(推奨度2)ただし、高齢者、低体重、腎機能低下、肺疾患、アルコール常飲、NSAIDs複数内服例では2~4mg/週で開始する。
  1. MTXの口内炎や消化管障害を減らす目的で、葉酸製剤を投与することは推奨される(推奨度1)
  1. MTXで効果不十分な関節リウマチ患者にMTXに加えて、サラゾスルファピリジン(SASP)、イグラチモド(IGU)、ブシラミン(BUC)、タクロリムス(TAC)の併用療法が推奨される(推奨度2)
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  1. 関節リウマチ治療に経口ステロイドを3月以上使用また使用を予定する患者で危険因子をスコアで評価[1](J)し、スコアが3点以上の場合は、アレンドロネート、リセドロネートなどのビスホスホネート製剤の使用は強く推奨される(推奨度1)
  1. 関節リウマチ治療にステロイドを使用してない場合も、関節リウマチは骨粗鬆症を起こしやすい疾患であるため、原発性骨粗鬆症の評価と治療を行う[2](J)(推奨度1)
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  1. デノスマブ(denosumab)は骨密度増加と関節破壊抑制が期待できるため、投与を考慮してよい(推奨度2)
  1. 生物学的製剤の選択方法は、投与方法、投与間隔、MTX併用可能か否か、合併症を考慮して選択する。ただし、MTXは併用可能なら併用するのが望ましい(推奨度1)
  1. MTX、生物学的製剤、JAK阻害薬開始前にはB型肝炎、C型肝炎、胸部X線検査、結核検査、β-Dグルカン測定を行い、リスクに応じた予防を行う(推奨度1)
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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光および日本医科大学多摩永山病院 副薬剤部長 林太祐による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、 著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
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著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
狩野俊和 : 特に申告事項無し[2024年]
監修:金子礼志 : 特に申告事項無し[2024年]

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