心臓神経症 :トップ    
監修: 永井良三 自治医科大学
稲光哲明 にゅうわ会及川病院 心療内科

概要

疾患のポイント:
  1. 心臓神経症とは、器質的疾患を評価し、疾患では説明できない心血管症状がある場合である。症状には、胸痛、動悸、息切れ、発汗、しびれ、めまいなどの身体症状、不安、不眠、抑うつ、神経過敏などの精神症状、人込みや乗り物などの中に行くのを怖がるなどの行動上の症状がみられる。
  1. ただし、現在、「心臓神経症」の病名は用いられることが少なくなっている。心臓神経症という疾患は、ICD-10では、定義されているが、DSM-5基準では定義されていない。DSM-5基準では、「パニック症」「双極性障害および関連障害群」「抑うつ障害群」「身体症状症および関連症群」「病気不安症」などの診断名となることが多い。
  1. 心臓神神経症の頻度は不明であるが、循環器専門の診療科における外来患者の30~60%が心臓神経症やうつ病であるといわれる( エビデンス )。年齢では思春期より30歳代前半までが多く、そのほかに中年期にも1つの山がある。女性が男性の2倍多い。 エビデンス 
 
診断: >詳細情報  アルゴリズム
  1. 心臓神経症は除外診断が主となる。診断は下記の定義に沿って行うが、通常、心臓血管疾患や呼吸器疾患、消化器疾患の有無を検索し、それらが除外できたときに診断となる。また、器質的疾患が存在している場合でも、その重症度を客観的に評価し、症状に見合わない場合には診断となる。
  1. 心臓神経症の診断のアルゴリズム :アルゴリズム
  1. 心臓神経症の定義:<図表>
  1. ICD-10にみられる心臓神経症の診断ガイドライン:<図表>
  1. 可能ならば、さらにDSM-5基準に基づく、パニック症、その他の不安症、双極性障害および関連障害群、抑うつ障害群、身体症状症および関連症群などの精神障害を評価する。

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

初診時に器質的疾患を除外するための検査例
  1. 心血管疾患、呼吸器疾患、内分泌疾患、消化器系疾患などを除外するための検査を行う。心血管疾患では、特に不整脈、狭心症などの除外が重要であり、検査結果は患者が理解できるよう十分に説明する。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

心臓神経症の診断のアルゴリズム
心臓神経症の治療のアルゴリズム
パニック症の薬物療法のアルゴリズム(わが国家庭医向け)
心臓神経症の定義(暫定的定義で“いわゆる”を付けることもある)
心臓神経症と類似概念の疾患名
心臓神経症に相当する精神障害の種類とその診断基準(要約)と治療
ICD-10にみられる心臓神経症の診断ガイドライン
心臓神経症の治療方針
SSRIの使用上の注意
一般医にも実施が望まれる心臓神経症に対する認知行動療法の内容
著者校正/監修レビュー済
2017/02/28


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