急性腎障害 :トップ    
監修: 木村健二郎 地域医療機能推進機構 東京高輪病院
土井研人 東京大学医学部附属病院 救急部・集中治療部

概要

疾患のポイント:
  1. 急性腎障害(acute kidney injury、AKI)とは、以下のいずれかによって定義される状態である[1]。
  1. 48時間以内にSCr値が≧0.3 mg/dl 上昇した場合
  1. SCr値がそれ7日前以内の既知あるいは予想される基礎値より≧1.5倍の増加があった場合
  1. 尿量が6時間にわたって <0.5 ml/kg/時間に減少した場合
  1. AKIと診断した場合、さらに重症度基準によって病期分類する。<図表>
  1. AKIは軽症(あるいは低い病期)であっても、腎予後あるいは生命予後に影響する。
  1. AKIは必ずしも完全に回復する病態ではなく、腎機能回復が不完全でCKDとなったり、透析が必要な末期腎不全(end-stage kidney disease、 ESKD)となることもある[7]。
  1. わずかな急激な腎機能低下でも診断できるように新たな定義が提唱された。それに伴い、急性腎不全から急性腎障害という病名が使われるようになった。以前考えられていたような予後の良い疾患ではないことに注意しなければならない。
 
診断: >詳細情報  (アルゴリズムアルゴリズム
  1. 診断基準にてAKIを診断する。(診断基準 >詳細情報 ・AKI診断のアルゴリズムアルゴリズム
  1. AKIの診断には時間的経過が重要であり、この時間的経過を含めた診断基準に合致しないもの、つまり腎機能や尿量低下に変化がない場合にはAKIとは診断できない。
 
重症度・予後: >詳細情報 
  1. 重症度による病期分類を行う。<図表>

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

AKI初診時にほとんどの患者に行う検査例
  1. AKIを診断する。(診断基準 >詳細情報 ・アルゴリズムアルゴリズム
  1. AKIの原因について鑑別を進める。(アルゴリズムアルゴリズム・原因薬剤<図表>)
○ AKIを認める場合、病態を評価するために下記の検査を考慮する。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

AKI診断のアルゴリズム
AKI治療の思考プロセス
AKI重症度基準
腎前性・腎性・腎後性AKIの鑑別疾患
腎前性・腎性・腎後性AKIの尿所見
腎前性・腎性・腎後性AKIの発症場所
腎前性・腎性・腎後性AKIの病歴・身体所見
AKIを起こす代表的な薬剤
AKIの鑑別診断に参考となる身体所見
病期別のAKI診療
著者校正/監修レビュー済
2018/07/04

編集部編集コンテンツ:
 
関連する医療事故:
  1. 塞栓症のリスクがある場合、抗凝固薬中止前に心房内血栓の評価・代替治療を行う:
  1. 事例:腎機能障害の急激な進行を認めたため、腎生検を考慮して心房細動に対して内服していたプラザキサの中止が指示された。 翌日、腎生検は中止となったがプラザキサは再開されなかった。 2週間後、早朝にベッドから転落しているところを発見。左半身麻痺を認め、心原性脳梗塞と診断された。(詳細情報ページ:医療事故情報 詳細表示