急速進行性糸球体腎炎(RPGN) :トップ    
監修: 木村健二郎 地域医療機能推進機構 東京高輪病院
山縣邦弘 筑波大学 医学医療系 腎臓内科学

概要

疾患のポイント:
  1. 急速進行性糸球体腎炎(rapidly progressive glomerulonephritis、RPGN)とは、数週~数カ月の経過で急性あるいは潜在性に発症し、血尿(多くは顕微鏡的血尿、まれに肉眼的血尿)、蛋白尿、貧血を伴い、急速に腎機能障害が進行し放置すれば末期腎不全まで進行する、最も予後不良な腎炎症候群である。
  1. RPGNには主に、抗糸球体基底膜抗体(抗GBM抗体)型、免疫複合体型、pauci-immune型の3つのパターンがあり、抗GBM抗体型は血中の抗GBM抗体が陽性、pauci-immune型の95%は血中の抗好中球細胞質抗体(anti-neutrophil cytoplasmic antibody、ANCA)が陽性である。
  1. 抗糸球体基底膜抗体:<図表>
  1. 顆粒状のIgGの沈着(免疫複合体型):<図表>
  1. 抗好中球細胞質抗体(anti-neutrophil cytoplasmic antibody、ANCA):<図表>
  1. RPGNは、全身性疾患の腎合併症として発症することが多い。抗GBM抗体型では  Goodpasture症候群 、免疫複合体型では全身性エリテマトーデスや他の糸球体腎炎に続発して発症、クリオグロブリン血症、pauci-immune型では  顕微鏡的多発血管炎 、多発血管炎性肉芽腫症( Wegener肉芽腫症 )、好酸球性肉芽腫性血管炎 ( Churg-Strauss症候群 )などを鑑別する必要がある。 鑑別疾患 
  1. 検尿で血尿・蛋白尿を初めて指摘された患者をみたら、腎機能を確認し、eGFR 60m
  1. l/分/1.73m2未満の場合には、炎症所見を確認し、CRP高値、赤沈亢進などの炎症所見を呈していた場合にはRPGNの疑いとして、腎生検の実施できる腎専門医施設に紹介すること。
  1. 腎機能異常(eGFR 60mL/分/1.73m2未満)の患者をみたら、検尿異常(血尿、蛋白尿、円柱尿)の有無を確認する。同時にCRP高値、赤沈亢…

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

RPGN診断のための検査例
  1. RPGNの診断のためには、病歴の聴取、過去の検診での腎機能データにより数週から数カ月の経過で急速に腎不全が進行することを確認する。慢性腎不全による腎機能障害との鑑別が重要である。その他、以下の検査を実施する。病型分類にはMPO-ANCA検査、PR3-ANCA検査、抗GBM抗体検査が有用である。
○ 症状、疑われる原因疾患に基づき、下記の検査を考慮する。

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薬剤監修について:
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(詳細はこちらを参照)

ANCA陽性急速進行性腎炎の治療アルゴリズム
抗糸球体基底膜抗体型RPGNの治療アルゴリズム
免疫複合体型RPGNの治療アルゴリズム
急速進行性腎炎の臨床重症度分類
臨床重症度別生命予後
抗好中球細胞質抗体(anti-neutrophil cytoplasmic antibody、ANCA)
抗糸球体基底膜抗体
糸球体の半月体
わが国のRPGNにより透析導入となる患者の年次推移
抗GBM抗体型RPGNの糸球体蛍光抗体法所見
著者校正/監修レビュー済
2018/07/04

改訂のポイント:
  1. エビデンスに基づく急速進行性腎炎症候群(RPGN)診療ガイドライン2017
に基づき改訂を行った。


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