IgA腎症 :トップ    
監修: 木村健二郎 地域医療機能推進機構 東京高輪病院
高橋和男 湯澤由紀夫 藤田保健衛生大学 腎内科学

概要

疾患のポイント:
  1. IgA腎症とは、原発性糸球体疾患で最も頻度の高い疾患で、糸球体性の血尿、尿蛋白陽性尿所見を呈し、腎メサンギウム領域へのIgA(IgA1)の優位な沈着を特徴とし、また、その原因となり得る基礎疾患が認められない状態である。
  1. 無症候性の血尿や、扁桃炎や皮膚炎などの先行感染後、数日以内に症状が出ることが特徴とされる。なお、急性腎炎も先行感染を合併することが多いが、急性腎炎では、発症までの期間が1週~数週後であるのに対して、IgA腎症では数日以内と短い場合が多い。
  1. IgA腎症は、指定難病であり、その一部(①CKD重症度分類ヒートマップが赤の部分の場合、②蛋白尿0.5g/gCr以上の場合、③腎生検施行例の組織学的重症度IIIもしくはIVの場合、のいずれかを満たす場合)などは、申請し認定されると保険料の自己負担分の一部が公費負担として助成される。([平成27年1月施行])
  1.  難病法に基づく医療費助成制度 
 
診断:アルゴリズム >詳細情報 
  1. ポイント:
  1. 持続性の血尿を認めた場合や、感冒に伴う肉眼的血尿を認めるときに本疾患を想起する。
  1. 診断は診断基準・アルゴリズムを参考に行う。確定診断は生検によってされるが、腎生検前の参考所見として、先行感染を認めること、尿中赤血球5個/HPF以上、血清IgA値315mg/dl以上、血清IgA/C3比3.01以上がある。
  1. IgA腎症の診断基準:<図表>
  1. 診断アルゴリズム:アルゴリズム
  1. 生検による評価:
  1. IgA腎症を疑い、腎機能障害を認める場合や蛋白尿が1日0.5gを超える場合に腎生検を考慮する。
  1. 生検にて、糸球体メサンギウム領域にIgA沈着を他の免疫グロブリンに比し優位に認めることでIgA腎症の確定診断となる。
  1. IgA腎症の光学顕微鏡所見(PAS染色):…

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

IgA腎症の診断のための検査例
  1. 持続性の血尿を認めた場合、泌尿器科疾患との鑑別が必要である。泌尿器科疾患との鑑別は、病歴のほか、尿中赤血球形状、尿細胞診、KUB、腹部超音波、腹部CT、男性の場合PSA値、膀胱鏡、IVPなどで行う。また、腎臓疾患の鑑別疾患として、IgAが糸球体に沈着するループス腎炎および紫斑病性腎炎などがある。
  1. 確定診断は生検によってされるが、腎生検前の参考所見として、先行感染を認めること、尿中赤血球5個/HPF以上、血清IgA値315mg/dl以上、血清IgA/C3比3.01以上がある。
  1. 腎生検は、腎機能障害を認める場合や蛋白尿が1日0.5gを超える場合に適応となり、免疫染色にて糸球体メサンギウム領域にIgA沈着を他の免疫グロブリンに比べ有意に認めるとき、IgA腎症の確定診断となる。
○ 鑑別疾患のための検査である3)-12)(血清補体価など)と疾患重症度判定である1)2)(尿蛋白定量、血清クレアチニンなど)を評価する。確定診断には13) が必要である。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

IgA腎症診断アルゴリズム
IgA腎症治療アルゴリズム
IgA腎症の光学顕微鏡所見(PAS染色)
IgA腎症の蛍光顕微鏡所見
IgA腎症の蛍光顕微鏡所見
IgA腎症の電子顕微鏡所見
IgA腎症の診断基準
臨床重症度分類
組織学的重症度分類
IgA腎症患者の透析導入リスクの層別化
著者校正/監修レビュー済
2018/02/28


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