心肺停止 :トップ    
監修: 箕輪良行 みさと健和病院 救急総合診療研修顧問
田中敏春 新潟市民病院 救命救急・循環器病・脳卒中センター

概要

ポイント:
  1. 心肺停止とは、文字通り心臓と肺が停止することである。ほとんどの成人における心肺停止は、心原性かつ突発性である。一方、小児における心肺停止は、その多くが呼吸原性である。突然の心肺停止の約80%が冠動脈疾患によるものとされ、冠動脈疾患および慢性低左心機能を既往に持つ患者では突然の心肺停止のリスクが増大する。米国での院外で目撃された突然の心肺停止に陥った傷病者に対する生存退院率は平均5%である。
 
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  1. CPRで推奨される手順は、以前はその頭文字「A-B-C」、つまりAirway(気道)、Breathing(呼吸)、Circulation(循環)の順序による実施が普及していたが、「AHA心肺蘇生と救急心血管治療のためのガイドライン2010」以降修正され、C-A-B(人工呼吸を行う前に、胸骨圧迫からCPRを開始)の順序による実施が推奨されている。( 解説 )
  1. 市民救助者は、胸骨圧迫のみのCPRを行うことも推奨される。( 解説 )
 
BLS:
  1. 心肺停止患者に対しては、約5㎝の深さ(小児では胸郭系の約1/3)、約100~120回/分のテンポで胸骨圧迫を行う。胸骨圧迫の際は、圧迫と圧迫の間で胸郭が完全にもとに戻るようにする。
  1. 胸骨圧迫と換気の比率は、乳児から成人まで30:2である(乳児・小児では救助者が2名だと15:2)。
  1. 乳児から成人までAEDが到着次第、速やかにパッドを装着し適応があればショックを実施する。
  1. AEDを使用した除細動では1回のショックの後ただちにCPRを開始し、2分間または5サイクルのCPR後の再解析に従う。
  1. 静脈路確保が困難な場合、薬剤は骨髄内投与が気管内投与よりも推奨される。
  1. CPR中の人工呼吸では、過換気にならないように注意する。
  1. 卒倒が目撃された成人の心肺停止では、胸骨圧迫だけのCPR実施も推奨される。
  1. 心肺停止の認識(反応と呼吸の確認): >詳細情報 
  1. 脈拍の確認: >詳細情報 

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

心室細動(Vf)/無脈性心室頻拍(pulseless VT)に対する薬剤投与方法例
  1. CPR中の薬剤投与は、自己心拍再開(ROSC)・入院率などといった短期転帰を改善させる効果があるが、生存退院・神経学的転帰の長期転帰を改善させない。あくまでも質の高い胸骨圧迫と迅速な除細動を優先させる。
  1. 1ないし2回の除細動実施後もVf/pulseless VTが持続する場合はアドレナリンを投与し、その後もVf/ pulseless VTが持続する場合は、アンカロンまたはシンビット、リドカインを投与する。
○ 除細動実施後もVf/pulseless VTが持続する場合は、1)を投与する。その後も持続する場合は、2)~4)の投与を考慮する。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

心停止循環アルゴリズム
医療従事者のためのBLSアルゴリズム
成人の心停止アルゴリズム
乳児、小児、成人に対するBLS手技一覧
呼気CO2モニターによる気管挿管の確認(カプノグラフィ波形)
呼気CO2モニターによる蘇生努力の効果のモニタリング
AEDによるショックまでの胸骨圧迫の中断時間は短くするほうがよい。
CPR中の薬剤投与は、長期転帰を改善させない。
心停止中の血行動態は胸骨圧迫に依存する:胸骨圧迫の中断は最小限にする。
著者校正/監修レビュー済
2018/02/28


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