尿細管性アシドーシス :トップ    
監修: 木村健二郎 地域医療機能推進機構 東京高輪病院
要伸也 杏林大学医学部附属病院第一内科

概要

疾患のポイント:
  1. 尿細管性アシドーシス(RTA)とは、腎臓の尿細管障害により起こる代謝性のアシドーシスである。低K血症性遠位尿細管性アシドーシス(1型RTA)、近位尿細管性アシドーシス(2型RTA)、高K血症遠位尿細管性アシドーシス(4型RTA)に分類される。
 
診断とタイプの鑑別: >詳細情報 
  1. アニオンギャップ(AG)正常型代謝性アシドーシスがあれば、RTAも鑑別診断に入れることが重要である。鑑別においては、必ずK代謝異常合併の有無と尿生化をチェックする。低K血症を伴えば下痢症、高K血症では腎不全と薬剤(特にRA系阻害薬、消炎鎮痛薬)をまず鑑別する。それらを除外し、低K血症では1型または2型RTA、高K血症では4型RTAの可能性を考え、診断と原因疾患の検索を進める。
  1. 1型RTAとそれ以外(下痢など)の代謝性アシドーシスの鑑別には、尿アニオンギャップAGが役立つ(1型RTA以外の場合は負の値になる)。
  1. 1型RTAでは、酸血症があるにもかかわらず早朝尿(通常最も酸性)のpHを5.5未満に下げられないことが診断の手がかりとなる。 エビデンス 
  1. アシドーシスが軽度であっても腎石灰化があり尿pH>6.0である場合は、不完全型のRTA(1型)の可能性も考慮する。2型RTAの確定診断のためには、重曹負荷試験でHCO3排泄率(FE HCO3)が15%以上であることを証明する。<図表>
  1. 高K血症を伴うAG正常型代謝性アシドーシスがあり、腎不全がない場合、広義の4型RTAと考えられる。アルドステロン低下、アルドステロン抵抗性のいずれかを鑑別していく。<図表>
 
1型尿細管性アシドーシス(1型RTA)
  1. ポイント:
  1. 集合管の間在細胞における酸分泌障害により、低K血症、中等度~高度のアシドーシス、骨量低下、尿路結石/腎石灰化を呈する疾患である。
  1. 背景疾患・合併疾患: >詳細情報 
  1. 1型…

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

診断と重症度を評価するための検査例
  1. RTAの病型診断と重症度を評価するために検査を行う。
○ スクリーニングとして1)~4)を行い、病型および鑑別診断のために5)6)を施行する。基礎疾患検索(Bence-Jones蛋白、SS-A,SS-Bなど)のための検査を適宜加える。

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薬剤監修について:
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※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
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(詳細はこちらを参照)

尿細管性アシドーシスのアルゴリズム
尿細管性アシドーシスの特徴と鑑別
遠位尿細管(集合管の間在細胞A型)におけるイオン輸送
近位尿細管のイオン輸送と2型RTA
遠位尿細管性アシドーシス(1型RTAと4型RTA)
尿細管性アシドーシス1型に伴う腎石灰化
著者校正/監修レビュー済
2017/12/25


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