静座不能(アカシジア) :トップ    
監修: 前野哲博 筑波大学医学医療系 地域医療教育学
横谷省治 筑波大学医学医療系北茨城地域医療教育ステーション/筑波大学附属病院 総合診療科

概要

疾患のポイント:
  1. アカシジアは、自覚的な落ち着きなさと観察可能なじっとしていられない動作で特徴付けられる運動障害である。
  1. わが国での非定型抗精神病薬によるアカシジアの発生率は、各長期試験の結果から、リスペリドン(リスパダール)が22.9%、ペロスピロン(ルーラン)が40%、クエチアピン(セロクエル)が5.2%、オランザピン(ジプレキサ)が17.6%であった。
 
診断:
  1. アカシジアはそのほとんどが医薬品誘発性であり、多くはドパミン受容体遮断薬が原因である。原因薬剤の開始・増量から4週間以内に発症する急性アカシジアと3カ月以上経って発症する遅発性アカシジアとに分類される。
  1. 医薬品誘発性急性アカシジアは、主観的な落ち着きのなさが(神経遮断薬などの)医薬品投与を開始後または増量後、または錐体外路症状を治療する医薬品の減量後2~3週以内に発現する。しばしば他覚的に観察される過剰な運動(例:そわそわした足の動き、片足ずつ体重をかけて体を揺らす、足踏み、じっと座っていたり立っていたりすることができない)を伴う[9]。
  1. アカシジアと似たような症状を来す状態として、精神症状の増悪による不安・焦燥、restless legs syndrome(下肢静止不能症候群)、遅発性ジスキネジアなどがあり、通常問診と診察により鑑別される。特にアカシジアと精神症状の増悪による不安・焦燥との鑑別が難しいこともあるが、アカシジアでは歩行や運動によって軽減されるのに対して、精神症状の場合はあまり軽減されない。また、アカシジアでは診察室でもじっとしていられず、そわそわしたり足踏みをしたりすることが多いことが特徴である。
  1. アカシジアを引き起こす可能性のある医薬品:<図表>
 
緊急対応:アルゴリズム
  1. 医薬品誘発性急性アカシジアの救急対応は、中枢性抗コリン薬のビペリデン(アキネトン)の筋注またはベンゾジアゼピンのクロナゼパム(リボトリール、ランドセン)などの内服が、根拠は不十分なものの推奨されている。ただし、中枢性抗コリン薬の使用は他の錐体外路症状を伴っているときに限る。 エビデンス   

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

アカシジアの治療例
  1. 医薬品誘発性急性アカシジアの救急対応は、中枢性抗コリン薬のビペリデン(アキネトン)の筋注またはベンゾジアゼピンのクロナゼパム(リボトリール、ランドセン)などの内服が推奨されている。ただし、中枢性抗コリン薬の使用は他の錐体外路症状を伴っているときに限る。なお、ビペリデン(アキネトン)は、緑内障、重症筋無力症の患者では禁忌であるため注意が必要である。
○ 症状が激しく錐体外路症状を伴う医薬品誘発性の急性アカシジアでは1)を用いる。それ以外では2)を用いる。

追加情報ページへのリンク

薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

医薬品誘発性急性アカシジアの治療アルゴリズム
アカシジアを引き起こす可能性のある医薬品
著者校正/監修レビュー済
2016/09/02


詳細ナビ