腸音異常 :トップ    
監修: 大滝純司 北海道大学大学院
本村和久 沖縄県立中部病院 総合内科

概要

所見のポイント:
  1. 腹痛や消化器症状を有する患者の身体診察では必ず腸音を聴診する。腸音のほとんどは胃で発生する。次いで大腸、小腸の順となる。しかし、腸音の異常の診断的意義は、腸閉塞(機械性イレウス)に限られ、病歴やその他の所見との総合的な判断となる。教科書的には、特徴的な腸音異常は腸閉塞(機械性イレウス)での金属音(high pitched)、麻痺性イレウスでの腸蠕動音の低下である。
 
緊急対応 >詳細情報 
  1. 病歴で、嘔吐・腹痛など腸閉塞を疑う所見があり、聴診で、金属音(high pitched)もしくは、腸蠕動音の低下がみられれば、血液検査、腹部立位単純X線写真、腹部エコー、腹部CTを考慮する。
 
専門医相談のタイミング: >詳細情報 
  1. 腸閉塞では、常に開腹術の適応を考える必要があり、外科医との相談が必要である。
 
診断へのアプローチ:(診察: >詳細情報 ・アルゴリズム:アルゴリズム・鑑別疾患: 鑑別疾患 )
  1. 単独の身体所見として、腸音の異常の診断的意義を示すエビデンスはきわめて限られている。 エビデンス 
  1. 腹痛があり、腸閉塞を疑う患者では、腸音の異常が診断に寄与するという限定的なエビデンスがある。 エビデンス 
  1. 腸音低下もしくは、消失の判断には、少なくとも2分の聴診が必要と教科書的にはいわれる。
  1. 腸音の種類により、下記の鑑別疾患を考慮する。
  1. 金属音:
  1. 機械性イレウス(腸閉塞):原因としてヘルニア(鼠径・大腿)癒着性イレウス、腸重積、癌、捻転、異所性子宮内膜症などが考えられる

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

腸音から腸閉塞を疑ったときの追加検査例
  1. 腹痛があり、腸閉塞を疑う患者では、最も効果的な身体所見は、腹部の膨満(RR = 13.1)と異常な腸音(RR = 9.0)という限定的なエビデンスがある。 エビデンス  エビデンス  エビデンス 
  1. 腸閉塞では、常に開腹術の適応を考える必要があり、外科医との相談が必要である。
  1. 腸閉塞の診断に腹部CTは必要不可欠ではない。
○ 病歴で、嘔吐・腹痛など腸閉塞を疑う所見があり、聴診で、金属音(high pitched)もしくは、腸蠕動音の低下がみられれば、血液検査、腹部立位単純X線写真、腹部エコー、腹部CTを考慮する。

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薬剤監修について:
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※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
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腸音の異常の鑑別アルゴリズム
著者校正/監修レビュー済
2016/08/05