今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 古畑智久 聖マリアンナ医科大学東横病院 消化器病センター 消化器・一般外科

監修: 杉原健一 東京医科歯科大学大学院

著者校正/監修レビュー済:2025/02/26
参考ガイドライン:
  1. 日本腹部救急医学会日本プライマリ・ケア連合学会日本医学放射線学会日本産科婦人科学会日本血管外科学会急性腹症診療ガイドライン2015 第1版
  1. 大腸癌研究会:大腸癌治療ガイドライン医師用2022年版
  1. 欧州消化器内視鏡学会ガイドライン 2020年版(Endoscopy 2020 May;52(5):389-407. doi: 10.1055/a-1140-3017. Epub 2020 Apr 7.
  1. 日本内視鏡外科学会:2023年版 技術認定取得者のための内視鏡外科診療ガイドライン
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 定期レビューを行い、日本内視鏡外科学会の『2023年版技術認定取得者のための内視鏡外科診療ガイドライン』の記述に従い、腸閉塞に対する腹腔鏡下手術について解説した。
  1. ガイドラインによると「腹腔鏡手術は、癒着が軽度と考えられる単純性腸閉塞に限って行われることを弱く推奨する。術者は十分な腹腔鏡手術の経験を有することが望まれる。推奨の強さ;弱い推奨、エビデンスの確実性(強さ);B(中程度)」と記述されている。
  1. また、開腹手術と比較して腹腔鏡手術は、術後在院日数、術後早期死亡、術後合併症、創感染に関しては良好な成績であり、術後早期再手術率、早期再入院、術中腸管損傷、手術時間は同等であることが、メタアナリシスなどで示されている(Wiggins T, et al. Surg Endosc. 2015 Dec;29(12):3432-42.、Sajid MS, et al. Am J Surg. 2016 Jul;212(1):138-50.、Hackenberg T, et al. Scand J Surg. 2017 Mar;106(1):28-33.、Nordin A, et al. Surg Endosc. 2016 Oct;30(10):4454-63.、Krielen P, et al. J Trauma Acute Care Surg. 2020 Jun;88(6):866-874.)。

概要・推奨   

  1. 単純性癒着性腸閉塞には、まずは胃管による減圧を行う。胃管により腸管の減圧を行い、1~2日間経過観察する。改善傾向を認めない場合は、イレウス管挿入を考慮する(推奨度1)
  1. 減圧チューブからのガストログラフィン注入は腸閉塞やイレウスの診断だけでなく、治療にも有用である(推奨度1)
  1. 高圧酸素療法は、単純性癒着性腸閉塞の治療に有用である(推奨度2)
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病態・疫学・診察 

疾患情報(疫学・病態)  
  1. 欧米では、イレウスは機械的な閉塞のない腸管運動が麻痺している状態を意味し、いわゆる腸閉塞とは区別して使われる。わが国では、これまで腸閉塞とイレウスを同義語として扱ってきたが、急性腹症診療ガイドライン2015(日本腹部救急医学会、日本プライマリ・ケア連合学会、日本医学放射線学会、日本産婦人科学会、日本血管外科学会)において、「従来の機能性イレウス(腸管麻痺)のみをイレウスとし、従来の機械性イレウスはイレウスとは呼ばず、腸閉塞と定義する」と述べられており、本稿ではそれにしたがって記載することとする。
 
疫学:
  1. 急性腹症による入院の20%は、腸閉塞によるといわれている。それらの約80%は小腸の腸閉塞である[1]
  1. 大腸癌によって腸閉塞を呈することがあり、その頻度は16%とする報告がある[2]
  1. 29,970人の開腹手術患者の経過をレトロスペクティブに検討したところ、術後10年間で34.6%の患者が癒着性腸閉塞により入院を要した[3]

病態:
  1. 腸管通過障害の原因が機械的な場合を腸閉塞、機能的な場合をイレウスと定義される[4]
 
腸閉塞、イレウスの病態による分類

腸管通過障害を認めた場合、次にこの分類のどれに属するかを検討し、治療方針を決定していく。

出典

著者提供
 
  1. 腸閉塞には、血流障害を伴わない単純性腸閉塞と血流障害を伴う複雑性腸閉塞がある。
  1. イレウスは、麻痺性イレウスと痙攣性イレウスがある。
  1. 腸閉塞の原因は開腹術後の癒着、腫瘍、異物、イレウスの原因は腹膜炎、代謝性疾患など多岐にわたる。主たる病態が背景に存在することも多い。
  1. 数日の絶食で軽快する症例から、腸管内圧上昇によりbacterial translocationが発生し敗血症に至る症例、突然の発症から腸管壊死に至る症例まで重症度も様々である。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光および日本医科大学多摩永山病院 副薬剤部長 林太祐による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、 著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※同効薬・小児・妊娠および授乳中の注意事項等は、海外の情報も掲載しており、日本の医療事情に適応しない場合があります。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適応の査定において保険適応及び保険適応外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適応の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
古畑智久 : 特に申告事項無し[2024年]
監修:杉原健一 : 特に申告事項無し[2025年]

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腸閉塞とイレウス

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