出血傾向 :トップ    
監修: 岡田定 聖路加国際病院
樋口敬和 獨協医科大学越谷病院 輸血部

概要

疾患のポイント:
  1. 出血傾向とは、出血後の止血が困難であったり止血後に再び出血を来す状態、およびわずかな外力で出血したり明らかな誘因がなく出血する状態である
  1. 出血傾向は、血管とその周囲組織、血小板、凝固因子、線溶系の単独あるいは複合の異常により起こる。
  1. 出血傾向の症状は、①皮下・粘膜出血、②深在性(関節・筋肉・臓器)出血、③止血困難、④遷延性出血、⑤後出血などである。
  1. ①皮下・粘膜出血は、血管または血小板の異常に起因することが多く、②深在性(関節・筋肉・臓器)出血は凝固系の異常に起因することが多い (<図表>)。 ③止血困難はすべての機序により起こるが、線溶の亢進は④遷延性出血を来し、⑤後出血(一回止血した後に再出血する)は第XIII因子欠乏症でみられる。

緊急対応: >詳細情報 
  1. 活動性の出血が持続していて圧迫が可能な部位であれば、まず圧迫止血を試みる。
  1. 血小板減少や凝固因子欠乏が原因であれば、補充療法を考慮する。
  1. 大量出血時は、静脈ラインを確保し補液を行い、赤血球輸血の準備をする。
  1. ワルファリン内服中で出血を合併した場合はビタミンKを投与を考慮する。

専門医相談のタイミング: >詳細情報 
  1. 再生不良性貧血、急性白血病などの重篤な造血器疾患が疑われる場合、血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)が疑われる場合、血小板数2万/μl以下で出血傾向ある場合、高度な血小板減少を認める場合は、専門医に相談する。
 
診断へのアプローチ:(問診・診察: >詳細情報 ・鑑別疾患: 鑑別疾患 )
  1. PT、APTTの値を参考に鑑別疾患を絞り込む。
  1. PT正常、APTT延長、血小板数正常の場合の診断アルゴリズム:アルゴリズム
  1. PT延長、APTT正常、血小板数正常の場合の診断アルゴリズム:…

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

外来で出血傾向を伴った患者をみた場合にスクリーニングとして行う検査
  1. 外来で出血傾向を伴った患者をみたら、CBC、PT、APTTは最低限必要である。その次の鑑別診断の際にはフィブリノゲン、FDPまたはDダイマーを検査し、特に肝疾患、腎疾患などの全身性疾患による出血傾向の鑑別のために生化学スクリーニングを行う。
○ 出血傾向のスクリーニングとして、1)~3)は必ず検査する。鑑別目的で4)~10)を行う。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

PT正常、APTT延長、血小板数正常の場合の診断アルゴリズム
PT延長、APTT正常、血小板数正常の場合の診断アルゴリズム
PT延長、APTT延長、血小板数正常の場合の診断アルゴリズム
PT延長、APTT延長、血小板数減少の場合の診断アルゴリズム
PT、APTT、血小板数いずれも正常の場合の診断アルゴリズム
出血傾向を来す疾患
原因による出血症状の相違
著者校正/監修レビュー済
2016/08/05


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