多尿

著者: 前川道隆 藤田医科大学ばんたね病院 腎臓内科

監修: 山中克郎 福島県立医科大学会津医療センター総合内科

著者校正/監修レビュー済:2019/05/23

概要・推奨  

  1. 多尿の鑑別診断では、尿量と尿浸透圧を測定し、浸透圧利尿と水利尿を区別することが最初のステップである。
  1. 浸透圧利尿で最も多いのは高血糖によるものであるが、入院中の患者では過剰な輸液による塩類利尿も多い。
  1. 糖尿病では多飲・多尿を伴うことが多いが、尿中ブドウ糖4.5g/日以上で浸透圧利尿が生じるとされる。
  1. 塩類喪失症候群と診断するには、有効循環血漿量の欠乏を示す必要がある。
  1. 急性腎不全の回復期、尿路閉塞の解除後の多尿では、全例への積極的な輸液負荷は不要かもしれない(推奨度3)
  1. 水利尿では中枢性尿崩症、腎性尿崩症、水分過剰摂取による多尿(primary polydipsia)を考える。
  1. Primary polydipsiaでは精神疾患に関連する心因性多飲が多く、症候性低ナトリウム血症に関連した合併症が問題となる。
  1. 中枢性尿崩症には診断・治療に関するわが国のガイドラインがある(推奨度1)確定診断にはバソプレシン負荷試験または高張食塩水負荷を行う必要がある。
  1. 遷延する塩類利尿(塩類喪失症候群/塩類喪失性腎症)では鉱質コルチコイドの投与が奨められるかもしれない(推奨度3)
  1. 中枢性尿崩症の治療では、デスモプレシン点鼻またはバソプレシンの経口投与が行われる。
  1. 先天性腎性尿崩症・リチウムによる腎性尿崩症では多尿のコントロールのためサイアザイド系利尿薬の投与が推奨される(推奨度3)
薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
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